2011年11月4日 11時32分
【ソウル=辻渕智之】4日付の韓国紙・朝鮮日報は、ロシア科学アカデミー付属の世界経済国際関係研究所が「北朝鮮は既に体制崩壊が進行中で、2020年代には韓国主導の統一過程に入る」と予測した報告書をまとめた、と報じた。
同紙によると、報告書はロシア政府のプロジェクトの一環として製作された「2030年戦略的世界展望」。それによると、北朝鮮では金正日(キムジョンイル)総書記の退陣後、海外に政治、経済的コネを持つ官僚集団と、コネがない軍・保安機関派に分裂し、主導権争いを展開。
混乱が深刻化する中で、2020年代には国際社会の監視下で臨時政府が創設され、軍部の武装解除と経済現代化が進む。この過程で「次第に韓国経済に吸収される」「旧体制支持者100万人余は中国、ロシアに脱出する」という。
李明博(イミョンバク)大統領は、ロシアで2日に行われた首脳会談の前に報告書を読み、「興味深い」と話したという。朝鮮日報は「ロシアで影響力のある研究機関が韓国主導の統一を予測し、歓迎する立場を明らかにした意味は大きい」とする外交関係者の声も掲載した。
(中日新聞)
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2011110490113228.html
ロシアの研究機関が「北朝鮮崩壊」を予測
ロシア最高の権威誇る国策研究機関「IMEMO」が見る北朝鮮の未来
ロシアで最高の権威を有する国策研究機関「世界経済・国際関係研究所(IMEMO)」が、最近発行した特別報告書で北朝鮮の崩壊を既定事実化し、韓国主導の韓半島(朝鮮半島)統一がロシアの国益に有利になるとの結論を下していたことが、3日までに確認された。李明博(イ・ミョンバク)大統領は、ロシア訪問直前にこの報告書を読み「興味深い」と述べ、関連内容をさらに把握するよう指示したという。
■「2020年代に北朝鮮は存在しない」
本紙が外交消息筋を通じて入手したIMEMOの特別報告書『2030年戦略的世界展望』は計480ページで構成されており、このうち韓半島関連の記述は5ページにわたる。
この報告書は、北朝鮮の状況について「崩壊の勢いが加速している。本報告書が展望する時期(2011‐30年)の後半には、韓半島は統一に至らないまでも、統一過程の実質的段階に差し掛かり、最終的に北朝鮮は現在のような形では存在しないだろう」との見通しを示している。20年代には事実上、統一がなされているというわけだ。
IMEMOは、2012‐20年の間に起こり得る金正日(キム・ジョンイル)総書記の権力移譲が、北朝鮮の崩壊を促進するだろうと分析した。金総書記退陣後、方向性喪失の危機に直面した政権の実力者が、海外に政治・経済的コネを持つ「官僚集団」と、「軍・保安部署関係者」に分裂し、主導権争いを繰り広げるとの見通しを示した。
報告書には、混乱が増幅する中、20年代になると、北朝鮮が韓国の統制下に入るまで、国際社会の監視下で臨時政府が樹立され、北朝鮮軍の武装解除と経済の現代化に向けた作業が本格化する―という展望も示されている。IMEMOは、この過程で「北朝鮮経済は徐々に韓国経済に吸収されるだろう。北朝鮮内部の旧体制支持者約100万人は中国やロシアに脱出するものとみられる」と予想した。
2020年、韓国主導で南北統一とロシアが予想―韓国紙
2011年11月5日、連合報網によれば、韓国紙・朝鮮日報は、ロシア政府に対外政策を助言する「世界経済・国際関係研究所(IMEMO)」が最近発表した報告書を引用し、北朝鮮の体制崩壊はすでに事実であり、20年には北朝鮮は韓国に吸収され、朝鮮半島は統一されると報道した。ロシアは北朝鮮の韓国による吸収、朝鮮半島統一は、ロシアに有利に動くとみている。
ロシアの世界経済・国際関係研究所が最近発表した「2030年戦略的世界展望」という報告書は、5ページの紙面を割いて韓国、北朝鮮関係について分析し、朝鮮半島情勢について展望している。これによれば、北朝鮮は崩壊に向け加速しているとし、11年から30年後半にかけて朝鮮半島は統一を実現しないまでも、おそらく統一に向けた実質的段階に入り、北朝鮮は今の形では存在していないという。
北朝鮮の体制崩壊の原因については、12年から20年にかけ北朝鮮の権力移譲が引き金となり、労働党内部の権力闘争が発生し、体制崩壊が加速、20年までには、国際社会の管理下で北朝鮮に臨時政府が樹立され、北朝鮮軍は武装解除して、北朝鮮経済も現代化を始める。この一連の過程で北朝鮮経済は段階的に韓国に吸収され、旧体制を支持する約100万人が中国やロシアに逃亡するだろうと分析する。また南北統一後、韓国とロシアは一層エネルギーやその他の産業における連携が強まり、韓国主導での南北統一はロシアにとって有利に働くとみている。
韓国の外交消息筋は、これまでロシアなど朝鮮半島周辺の大国は南北統一よりも朝鮮半島の現状維持を望んでいるというのが定説だったが、今回のロシア政府関係の研究機関が韓国主導の統一を公に発表したことは非常に重い意味をもつ」と語った。韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領は最近、ロシア訪問前にこの報告書を読み、非常に興味深いと関係内容の詳細な掌握を指示したという。(翻訳・編集/渡邊英子)
2011-11-06 17:28:33 配信
[社説]ロシア研究機関が報告書で「北朝鮮はすでに崩壊中」と指摘
NOVEMBER 05, 2011 07:10
ロシア国策研究機関の「世界経済・国際関係研究所(IMEMO)」は最近、報告書「韓国:変換および統一シナリオ」で、「北朝鮮が崩壊に向け加速している」とし、「20年代には北朝鮮は現在のような形では存在しないだろう」と分析した。報告書は、「30年代には韓国の完全な管理に移行するための全面的な準備に向けて、北朝鮮の武装解除および北朝鮮社会の現代化を推進する臨時政府が樹立される可能性が大きい」と見通した。吸収統一が10年後には現実になるという予測だ。
ロシアが北朝鮮体制の崩壊という用語の使用をダブー視しているにもかかわらず、政府に対外政策を助言するIMEMOが北朝鮮崩壊を既成事実としたことは大きな意味がある。北朝鮮内部に見過ごすことのできない体制の異常信号が出ているのか、北朝鮮の現在の状況に対するロシアの評価に重大な修正が加えられたと見ることができる。少なくとも北朝鮮が体制崩壊の下り坂に突入し、その傾斜がますます険しくなっていると評価したのだ。
北朝鮮崩壊論は新しい話ではない。80年代後半に始まった東欧共産主義圏の崩壊ドミノと94年の金日成(キム・イルソン)主席の死去、そして北朝鮮を襲った大洪水や食糧危機を目の当たりにした西欧社会は、北朝鮮の早期崩壊を占った。苦難の行軍に耐え抜いた北朝鮮が、南北関係の改善などで起死回生するかに見えたが、08年に金正日(キム・ジョンイル)総書記が脳卒中で倒れ、3代権力世襲も不安な様相を呈している。改革開放の失敗で住民の食糧難も解決できない北朝鮮は、明日崩壊したとしても不思議ではない「総体的失敗国家」だ。
北朝鮮崩壊の開始は統一の序幕だ。民族共同体統一案による漸進的、段階的統一を準備するのとは別に、北朝鮮の急変事態への対応にも万全の準備が必要だ。統一韓国が北東アジアの平和と中国、ロシアの安定に役立つと両国を説得する努力が緊要だ。IMEMOの報告書が、韓国主導の統一韓国の出現に対して、「アジア太平洋地域でロシアの位置づけに肯定的な影響を及ぼす」と指摘したことは正確な判断だ。
金大中(キム・デジュン)、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領時代の政府は、北朝鮮を刺激するという理由で、民間ですら北朝鮮の急変事態を議論することを阻止したが、統一の準備は隠すべきことではない。多くの脱北者を見ても、北朝鮮は内部的にすでに崩壊している。