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2013/02/02

纒向遺跡 3世紀前半の多数の柱穴と4世紀中頃の溝

3世紀前半の建物群、1棟は“幻” 奈良・桜井の纒向遺跡

2013/2/1 21:42
 邪馬台国の有力候補地とされる奈良県桜井市の纒向(まきむく)遺跡を調査中の同市纒向学研究センターは1日、方位や中心軸をそろえて立ち並んでいたと考えられていた3世紀前半の建物群4棟のうち、1棟について「存在しない」と従来の見解を修正した。

 残る建物群のうち1棟は当時の国内最大級で、「卑弥呼の居館」との声も出ている。同センターは「他の3棟は確実。遺跡の価値には影響しない」と話している。

 見解を改めたのは、東西に一直線に並んでいたとされる建物群の西端の1棟。35年前の発掘で柱穴跡5つが見つかり、建物跡の一部と考えられていた。今回、調査区を広げて発掘したが、想定した場所で建物の痕跡が見つからなかったという。

 ただ周辺で3世紀前半の柱穴跡を多数発見。同センターは「想定通りの建物はなかったが、何かの施設があった可能性が高い」と分析を続ける。

 一方、4世紀には一帯が溝で区画されていたことも分かった。溝跡(幅4.7~8メートル)は東西65メートル、南北54メートル以上あり、同センターは「豪族の首長の居館を巡る溝では」とみている。