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2012/04/27

自民党の憲法改正案=「国防軍を保持」、天皇は「国の元首」

国防軍保持を明記=保守色前面-自民改憲草案


自民党は27日、サンフランシスコ講和条約の発効によって日本が主権を回復して28日で60年を迎えるのに合わせ、憲法改正草案を発表した。現行憲法で不明確な自衛隊の位置付けに関し、9条に「国防軍を保持する」と明記。国旗・国歌を尊重する義務を定め、「国旗は日章旗、国歌は君が代」と明示した。

改憲草案は2005年にまとめた案を大幅に改定したもので、保守色を前面に打ち出したのが特徴。草案は衆院選マニフェスト(政権公約)に盛り込み、憲法問題でまとまりを欠く民主党との違いを際立たせたい考えだ。

党起草委員会が作った原案では、自衛隊の位置付けを「自衛軍」とし、国旗・国歌の名称を明示しなかった。この2点は、意見集約が特に難航したため、谷垣禎一総裁の判断で原案を修正した。国会の一院制の是非も谷垣氏に委ねられたが、原案通り二院制のままとした。 

草案は、前文で「日本国は天皇を頂く国家。国民は国と郷土を自ら守る」とし、天皇については「国の元首であり、国民統合の象徴」と元首であることを明記した。9条に「(戦争放棄の規定は)自衛権の発動を妨げない」と記し、現行憲法の解釈で禁じられている集団的自衛権の行使を認めた。

また、東日本大震災を踏まえ、テロや大災害の際に首相の権限を強化する緊急事態条項を創設。改憲の発議に必要な要件を、両院の総議員の「3分の2以上」から「過半数」に緩和した。

谷垣氏は記者会見で「結党の原点にかえらなければならない」と強調した。ただ、提出は他党や世論の動向をにらみ、慎重に判断する考えだ。(2012/04/27-19:37)

   http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2012042700848