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2011/10/20

6月30日の取締役会では子会社から井川元会長への前年度の貸付金23億5000万円は、「問題にならなかった」

大王製紙、巨額借り入れ取締役会で説明せず
 大王製紙の井川意高(もとたか)前会長(47)が同社の了解を得ずに、子会社から100億円を超える借り入れをしていた問題で、大王製紙の6月30日の取締役会で、前会長への約23億5000万円の貸付金が記載された3月期の有価証券報告書が示されたにもかかわらず、この貸し付けについては説明がなかったことが、同社関係者の話で分かった。

 前会長はその後も子会社から多額の借り入れを繰り返しており、融資が膨らむ結果につながったという。

 関係者によると、同報告書には、子会社2社から前会長への「短期貸付金」として計23億5000万円が記載されていたが、報告書に関する説明はごく短時間で終了し、貸付金については触れられなかった。取締役会の議長は前会長が務め、報告書は同日中に関東財務局に提出されたという。

 報告書には、前会長の父親の高雄氏(74)が代表取締役を務める関連会社への約22億円の貸付金も記載されていたが、実際には、関連会社を迂回(うかい)して前会長に貸し付けられていたという。

(2011年10月19日03時07分 読売新聞)