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2011/04/15

安全委事務局を兼任する加藤重治文科省審議官が代谷委員の会見に同席し、「文科省が主体的に判断すべきこと」と強調

学校再開の被曝量目安、安全委が撤回
2011年4月14日21時26分
 原子力安全委員会は14日、前日の記者会見で学校再開の目安を「年間被曝(ひばく)量を成人の半分の10ミリシーベルト程度におさえる」と示したことについて、委員会の決定ではないとして撤回した。理由は、学校の安全基準は文部科学省が検討しており、それに影響を与えないため、としている。

 前日、目安を示した代谷誠治委員は14日の会見で「委員会として10ミリが基準と決定したわけではない。うまく言葉が伝わらなかった」と述べた。文科省からの助言要請を待って、正式に委員会を開いて考え方を決めると話した。


 福島県では学校生活での放射能汚染が心配され、文科省が砂ぼこりを浴びる校庭の使い方や、放射線量の監視方法などを検討しているが、作業は遅れている。

 政府は年間20ミリシーベルトを基準に新しい避難区域設定を検討しており、代谷委員は「大人より被曝量を低減するべきだという考え方は必要だ」と話した。







「子どもは半分」、文科相が否定=原子力安全委員表明の被ばく量
 福島県内の学校の安全基準をめぐり、原子力安全委員会の代谷誠治委員が「成人の半分に当たる年10ミリシーベルト以下の被ばくに抑えるべきだ」と述べたことを受け、高木義明文部科学相は15日の閣議後会見で「委員の発言は、安全委全体の見解ではない。目標は20ミリシーベルトで、(基準厳格化により)学校を頻繁に移動させることはできない」と話し、考慮の対象としない考えを示した。

 政府は大気中の放射線量による被ばくが年20ミリシーベルトに達する恐れがある地域を「計画的避難区域」とし避難を求める方針。代谷委員は13日の記者会見で、授業再開の目安について「少なくとも半分ぐらいとすべきだ」と述べた。しかし、文科相が14日の参院文教科学委員会で「基準は20ミリ」と答弁すると、代谷委員は同日の会見で「委員会決定ではなく、私個人の考えだった」と発言した。

 文科相は発言の修正は求めていないとしたが、安全委事務局を兼任する加藤重治文科省審議官が代谷委員の会見に同席し、「文科省が主体的に判断すべきこと」と強調する場面もあった。
 文科相はまた、文科省と経済産業省資源エネルギー庁が共同発行している小中学生向けの副読本に「大きな津波が襲ってきても、原発の機能が損なわれないよう設計している」などの記述があるとして、内容の見直しを表明した。(2011/04/15-13:37)

http://www.jiji.com/jc/zc?k=201104/2011041500243