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2011/04/15

復旧作業が順調に進んでも、核燃料が安定して放射性物質が放出されないといえる状態になるまで、早くても2、3カ月かかる

原発安定化まで2、3カ月 学会見解、燃料溶け底に蓄積
 東京電力福島第1原発の事故について、日本原子力学会の原子力安全調査専門委員会は15日までに、原子炉などの状況を分析した結果、1~3号機で燃料の一部が溶けて粒状になって原子炉圧力容器の底にたまり、冷えているとの見解を公表した。


 溶けた燃料が圧力容器の底にたまりすぎると熱がこもり、容器を損傷する恐れがあるが、圧力容器の底部の温度データから、現状ではそこまでたまっていないとみられるという。

 一方、同学会の沢田隆副会長は「復旧作業が順調に進んでも、核燃料が安定して放射性物質が放出されないといえる状態になるまで、早くても2、3カ月かかる」との見通しを示した。

 専門委員会は、東電や原子力安全・保安院が公表した情報を基に分析。1~3号機の燃料棒はいずれも損傷し、燃料がゆっくりと溶け出して直径数ミリから1センチの粒となって圧力容器の底にたまっていると推測した。1、2号機の燃料棒は一部が露出、3号機は全部が水に漬かっているとみられるという。

 委員会メンバーの山口彰大阪大教授は「余震などで冷却がうまくいかなくなるリスクは依然としてあるが、建屋の補強工事や非常用電源を高台に置く動きが出てきたことは評価できる」とした。

2011/04/15 11:09 【共同通信】