12月22日 19時40分
尖閣諸島沖の衝突事件の映像が流出した問題で、神戸海上保安部の海上保安官は「衝突事件の真相を多くの国民に知ってもらい、判断してほしかった」と供述しているということで、警視庁は国家公務員法の守秘義務違反の疑いで書類送検しました。
書類送検されたのは神戸海上保安部の43歳の海上保安官です。警視庁の調べによりますと、この海上保安官は、尖閣諸島沖の衝突事件の映像を勤務先の巡視艇の業務用パソコンから入手し、先月4日、神戸市内のインターネットカフェから動画投稿サイトに投稿して流出させたとして、国家公務員法の守秘義務違反の疑いが持たれています。
警視庁は、先月10日、映像を流出させたと名乗り出た海上保安官について、任意で捜査してきました。事情聴取に対して、海上保安官は「衝突事件の真相を多くの国民に知ってもらい、国民に判断してほしかった」と供述しているということです。
また、映像を投稿する際に使った「sengoku38」という名前の意味については「言いたくない」として話そうとしないということです。警視庁は、流出した映像は一般には公開されておらず、「職務上知ることができた秘密」に当たると判断し、国家公務員法の守秘義務違反の疑いで、22日、東京地方検察庁に書類送検しました。これを受けて、東京地検は、年明け以降に刑事処分を決める方針で、起訴猶予の方向で検討を進めるものとみられます。