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2010/12/22

米ロ間戦略兵器削減条約

外務省
米露間の戦略核兵器削減条約(START)
平成18年5月1日

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kaku/beiro/start.html





戦略兵器削減条約

 戦略核兵器を削減する米ロ(ソ)間の条約。1982年に開始した戦略兵器制限交渉は米のSDI構想などで難航。冷戦終結後の91年7月、ブッシュ・ゴルバチョフ両大統領が、戦略核弾頭の半減など、史上初めて戦略核兵器の削減を定めた第一次戦略兵器削減条約(STARTI)に調印。94年末発効。
93年1月、ブッシュ・エリツィン両大統領は、戦略核弾頭をさらに半減、3000〜3500個に制限する第二次戦略兵器削減条約(STARTII)に調印。96年、米上院が、また2000年4月、ロシア議会も難航の末、批准。

さらに02年5月、ブッシュ(子)・プーチン両大統領は、戦略攻撃戦力削減条約(モスクワ条約)に調印。この新条約は、両国が保有する5500〜6000の核弾頭を、2012年までに1700〜2200に削減することが柱。03年、米ロとも批准。この条約で有名無実化したSTARTIIをロシア政府は放棄した。
( 坂本義和 東京大学名誉教授 / 中村研一 北海道大学教授 )



スタート‐ワン 【START Ⅰ】


《 Strategic Arms Reduction Treaty Ⅰ 》1991年7月に米ソ間で締結された軍縮条約の一つ。両国はICBM・SLBM・重爆撃機などの戦略核運搬手段の総数を上限1600基、弾頭数を上限6000発、弾道ミサイルを上限4900発とするなど数値目標を設定して保有兵器の削減に取り組み、2001年12月に履行を完了した(条約は2009年12月まで有効)。
この間、第二次・第三次戦略兵器削減条約が合意されたが、2002年にアメリカがABM条約(弾道弾迎撃ミサイル制限条約)から脱退したことなどから、いずれも発効には至らないまま、2002年5月に米ロ間で戦略核兵器削減条約(モスクワ条約)が締結された。第一次戦略兵器削減条約。

◆米国大統領オバマとロシア大統領メドベージェフは2009年4月の首脳会談で第一次戦略兵器削減条約が失効する同年12月までに新たな核軍縮条約を締結することで合意し、共同声明を発表した。後継条約はモスクワ条約の削減水準をさらに下回るものとなる。2010年、両首脳は戦略核を約3分の1削減する新条約に調印。両国はそれぞれ戦略核運搬手段総数を上限800基、戦略核弾頭を上限1550発ずつ削減する。



モスクワ条約

1921年にロシア共和国とトルコ共和国の間で結ばれた友好条約。ケマル=アタチュルクが初代議長を務めるトルコ大国民議会とレーニンが率いるボリジェビキ政権の間で締結された。
《「ソビエト・西ドイツ武力不行使条約」の通称》1970年にソ連と西ドイツの間で締結された平和条約。西ドイツがポーランド以東の領有権を放棄した上で、相互に主権を認め、武力を行使しないことを定めた。
《「アメリカ合衆国とロシア連邦との間の戦略的攻撃(能力)の削減に関する条約」の通称》2002年にロシアと米国の間で締結された戦略核兵器削減条約。2012年までに、それぞれ戦略核弾頭の配備数を1700~2200発に削減することを定めている(保有数の制限はなし)。



新START

 米国とロシアの新核軍縮条約。1991年に米国と当時のソ連の間で結んだ第1次戦略兵器削減条約(START1)は2009年12月5日に失効した。続くSTART2は1993年に調印されながら米国が議定書を批准せず立ち消えに。オバマ大統領とメドベージェフ大統領は10年4月、後継条約の署名にこぎ着けたが、米国の批准の成否が注目されていた。

 条約は両国の批准を経て発効後、10年間有効。戦略核弾頭は現行上限の2200発から1550発へ、爆撃機や大陸間弾道ミサイル(ICBM)、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)は同1600基・機から800基・機へ発効から7年以内に減らす。データ交換や現地査察など互いの核戦力の状況を検証する措置も盛り込まれている。(ワシントン時事)
(2010/12/22-16:57)
http://www.jiji.com/jc/c?g=tha_30&k=2010122200682