バチカン銀行の2幹部辞任=聖職者逮捕で事実上更迭
【ジュネーブ時事】バチカン(ローマ法王庁)は1日、カトリック教会への寄付金を管理する「宗教事業協会」(通称バチカン銀行)の幹部2人が辞任したと発表した。バチカン銀行絡みの疑惑で6月28日に高位聖職者が逮捕されており、幹部2人の辞任はこの逮捕を踏まえた事実上の更迭とみられている。
2人はバチカン銀行のシプリアニ事務局長とトゥリ次長。フォンフライベルク総裁は1日、2人が取り組んだマネーロンダリング(資金洗浄)対策といった業績を評価したが、「改革を加速する上で新たな指導者が必要だ」と突き放した。(2013/07/02-07:14)
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2013070200088
スイスから25億円不正持ち込み=バチカン聖職者ら逮捕-イタリア
【ジュネーブ時事】イタリアからの報道によると、同国警察は28日、スイスから現金2000万ユーロ(約25億8000万円)の不正持ち込みに関与したとして、バチカン(ローマ法王庁)の高位聖職者ら3人を逮捕した。
この聖職者はバチカンで資産管理を担当。スイスの友人のものとされる現金を、元イタリア情報機関員の男が所有する自家用ジェット機を使い、税関などに申告せずイタリアに持ち込んだ疑い。聖職者は男に40万ユーロ(約5100万円)を払ったとされる。
マネーロンダリング(資金洗浄)などの疑惑が絶えないバチカンの「宗教事業協会」(通称バチカン銀行)に対する監視を強化する中で、この聖職者の不正が明らかになったという。(2013/06/28-23:42)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201306/2013062801160
バチカン聖職者ら3人を逮捕、26億円の不正空輸を計画
2013年06月29日 10:41 発信地:ローマ/バチカン市国
【6月29日 AFP】数千万ユーロ(数十億円)を自家用ジェット機でイタリアに不法に持ち込む計画を立てたとして、バチカン(ローマ法王庁)の高位聖職者と元情報機関員、金融ブローカーの3人が逮捕された。検察当局が28日、発表した。同事件は、不祥事が続くバチカンの「宗教事業協会(Institute for Works of Religion、IOR)」(通称バチカン銀行)に対する捜査の一環で明るみになった。
バチカンの高位聖職者として「モンシニョール」の尊称で呼ばれるヌンツィオ・スカラーノ(Nunzio Scarano)容疑者(61)は、現金2000万ユーロ(約26億円)をスイスからイタリアに不法に空輸しようとしたとされ、詐欺と汚職の疑いがもたれている。
3人の逮捕は、バチカン銀行への捜査から、スカラーノ容疑者がマネーロンダリング(資金洗浄)に関与している疑いが生じたことがきっかけだった。
ローマのネロ・ロッシ(Nello Rossi)検察官によると、問題の金は石油タンカー船団を所有する3兄弟のもので、脱税で得られた資金だという。
ブローカーのジョバンニ・カレンチオ(Giovanni Carenzio)容疑者は現金の護衛役で、イタリアに持ち込む方法を探求していたとされる。元情報機関員のジョバンニ・マリア・ツィト(Giovanni Maria Zito)容疑者は現金を自家用ジェット機で運び税務・税関検査を避ける役を負っていた。現金2000万ユーロは自家用ジェット機でローマ空港に輸送され、武装警備のもとスカラーノ容疑者の自宅に運ばれる予定だったが、3人が仲違いしたため計画は頓挫したという。(c)AFP/Ljubomir MILASIN
バチカン職員らを汚職容疑で逮捕 ローマ検察
2013.06.29 Sat posted at 10:17 JST
ローマ(CNN) ローマの検察当局は28日、多額の現金をイタリアに違法に持ち込もうとした容疑で、ローマ法王庁(バチカン)の聖職者、金融ブローカー、元シークレットサービス捜査官の3人を逮捕したと発表した。
/
逮捕された高位聖職者ヌンツィオ・スカラノ容疑者は、ローマ法王庁で金融アナリストとして勤務し、同庁の資産管理・運営を担当していた。
ネロ・ロッシ検事は記者会見で、3人は汚職の疑いがあり、さらにスカラノ容疑者は名誉棄損の罪に問われる可能性があると述べた。
ロッシ検事によると、現在も捜査は続いているが、3人の容疑にマネーロンダリング(資金洗浄)は含まれていないという。
ロッシ氏によると、ローマ法王庁の資金の管理・運営を行う宗教事業協会(通称・バチカン銀行)に対するより大規模な捜査の結果、スカラノ容疑者らの不正が発覚したが、28日の逮捕は同銀行とは直接関係ないという。
容疑者3人は、2012年7月に脱税目的でスイスから多額の現金をローマに違法に持ち込もうとしたが、結局、計画は実行されなかった。容疑者らは、最初に自家用機で4000万ユーロ(現在のレートで約52億円)を輸送し、後から残りの2000万ユーロを運ぶ計画だったという。スカラノ容疑者は、金融ブローカーや元シークレットサービス捜査官らを仲介した疑いが持たれている。
この件についてローマ法王庁の広報は、イタリア当局から要請があれば捜査に協力するとしている。