相模原市の住宅の周辺に住む住民が、逮捕前、警察に「『菊地容疑者に似た人がいる』といった通報をしていた」と証言
“以前に通報”事実関係の確認を
6月4日 11時59分
逮捕された菊地直子容疑者が住んでいた住宅周辺の住民から「似た人がいる」といった通報を事前に警察にしていたという証言が複数出ていることを受けて、警察庁は、神奈川県警察本部に対し、事実関係を確認するよう求めました。
菊地容疑者を巡っては、相模原市の住宅の周辺に住む住民が、逮捕前、警察に「『菊地容疑者に似た人がいる』といった通報をしていた」と証言していて、NHKの取材に応じた26歳の男性は「去年10月以降、菊地容疑者と似た女性が歩いているのを何度か見たことがある。自分の母親も見たことがあると言っていて、去年12月に『菊地容疑者に似ている』と警察に連絡したが、本気にしてもらえなかった」と話しています。
このため、警察庁は、当時の対応に問題がなかったか調べるため、事実関係を確認するよう神奈川県警察本部に求めました。今のところ、通報に関する記録は見つかっていないということです。
特別手配されたオウム真理教の容疑者を巡っては、平田信被告が警視庁に出頭した際、警備をしていた機動隊員が悪質ないたずらと判断して取り合わなかったことが問題となり、警察庁が、指名手配の容疑者を名乗る人物が現れた際の対応マニュアルを作ることなどを全国の警察に指示しています。
“菊地容疑者情報” 去年秋に県警に
菊地容疑者の潜伏先の近くの住人が去年秋に「似た女の人がいる」と神奈川県警の警察署員に伝えていたことがわかりました。警察庁は県警に事実確認を求めています。
「野菜売り場を見たらたまたまそっくりな人がいた。あのときに見た人は(菊地容疑者で)間違いないと思う」(近所の住民)
こう語るのは菊地容疑者が潜伏していた相模原市の住宅の近所に住む男性です。男性の母親も近所のコンビニエンスストアや路上で菊地容疑者に似た女性を目撃しました。
「どこかで見たことがある顔で菊地直子に似ている。手配写真に比べて頬の肉が落ちているが、年を取ったらあんな顔になるのではないか」(母親)
母親は去年の秋に神奈川県警の警察署に電話で伝えました。ところが、電話を受けた署員はこう答えたといいます。
「証拠はありますか?菊地容疑者と知り合いですか?」(警察署員[母親の証言より])
母親が「証拠はない」と答えると、その後、対応してもらえなかったということです。
オウム真理教の特別手配容疑者をめぐっては、去年の大みそかに平田信被告が警視庁に出頭しようとした際、警備していた機動隊員が悪質ないたずらと判断して取り合わなかったことが問題になっています。今回も有力な情報が捜査に生かされなかった可能性があるのでしょうか。警察庁は神奈川県警に対し、早急に事実関係を確認するよう求めました。神奈川県警は相模原市内にある4つの警察署を中心に署員から聞き取り調査をするなど確認作業を進めていますが、現時点で「該当する話は確認できていない」としています。(04日18:10)