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2012/04/05

鳩山元総理、イラン訪問中止要請を拒否 「議員の外交努力が国益に資するようなことは十分にあり得る」

鳩山元首相:「1カ月前、首相に予告」イラン訪問中止拒否

 毎日新聞 2012年04月05日 19時50分(最終更新 04月05日 20時41分)

玄葉光一郎外相は5日、国会内で、イラン訪問を計画している鳩山由紀夫元首相と会い、「もっと早く相談してほしかった」と不快感を示し、訪問の取りやめを促した。これに対し、鳩山氏は「政府しか外交ができないということであれば、議員外交ができなくなる」と拒否。予定通り6日からイランに向かい、アフマディネジャド大統領らと会談する方向だ。



  イランの核開発問題を巡り、政府は欧米諸国とともにイラン産原油の輸入削減を決定。各国が協調してイランへの圧力を強めており、政府は「対話のタイミングではない」(外務省幹部)と判断している。野田佳彦首相も5日の参院予算委員会で「大変微妙なタイミングで、国際協調の立場と整合的でなければならない」と述べ、鳩山氏のこの時期の訪問は好ましくないとの考えを示した。 
鳩山氏は5日、国会内で記者団に対し、「首相には1カ月以上前に訪問計画を伝え、『前向きに頑張ってください』と言われた。理解してもらえたと思っていた」と釈明。玄葉氏は4日の記者会見で、鳩山氏から同日、訪問計画を聞いたとして批判していた。【横田愛、鈴木美穂】







「議員外交は有益」鳩山氏がイラン訪問懸念に反論(04/05 20:06)





  核開発問題に関する鳩山元総理大臣のイラン訪問について、野党だけでなく政府からも懸念の声が上がっています。このため、鳩山元総理自ら「議員の外交努力も有益だ」と反論しました。

  鳩山元総理大臣:「(野田)総理には、ひと月以上前にイランに対して関心があって、(イランに)行くことを考えたいということを申し上げていた。議員の一人ひとりが自分自身の意思で外交努力をする。そのことによって、国益に資するようなことは十分にあり得るというふうに思っている」

イランの核開発に対して、政府は、欧米各国とともに制裁を行うことで足並みをそろえていることから、「対話のタイミングはまだ先だ」として鳩山元総理のイラン訪問に不快感を示しています。また、玄葉外務大臣も参議院の予算委員会で、「政府の方針と違う態度で臨む二元外交にならぬよう慎重な対応を促したい」と強調しました。

このため、鳩山元総理は玄葉大臣と国会内で会談し、「個人の立場での訪問だ」と正当性を訴えました。これに対して、玄葉大臣は「もっと早く言ってほしかった」と不満を述べたものの、政府としての強制力はないため、事実上、黙認することになりました。鳩山元総理は、6日から4日間の日程でイランを訪問し、アフマディネジャド大統領と会談します。







「二元外交」を懸念=鳩山元首相のイラン訪問-政府

  民主党の鳩山由紀夫元首相が6日から予定しているイラン訪問に対し、政府は神経をとがらせている。イランの核開発をめぐり、日本は経済制裁を強化する欧米諸国と足並みをそろえている。そうした中、平和的解決を主張する鳩山氏の「議員外交」は、イランに誤ったメッセージを与えかねないとの懸念が広がっている。

  鳩山氏はテヘランでアハマディネジャド大統領やサレヒ外相らと会談し、核開発放棄を呼び掛ける。これに対し、玄葉光一郎外相は5日午後、衆院本会議場で鳩山氏に会い、「もっと外務省を信じてほしい」と不快感を示し、イランへの渡航延期を要請したが、鳩山氏は応じなかった。

鳩山氏はこの後、国会内で記者団に「野田佳彦首相には1カ月以上前に行くことを伝えていた」と強調。「二元外交」との批判に関しては「議員が自分の意志で外交努力をすることによって、国益に資することは十分ある」と反論した。

  議員外交の効果は政府も否定していない。しかし、日本がイラン産原油の輸入削減方針を打ち出し、対イラン包囲網に加わる中での元首相の訪問は「欧米との協調に水を差しかねない」(外務省筋)。首相が5日の参院予算委員会で「わが国の国際協調の立場と整合的でなくてはいけない」と答弁、鳩山氏にあえてクギを刺したのも、そうした懸念が消えないからだ。

  しかも、鳩山氏は首相在任当時、米軍普天間飛行場移設問題などで言動がぶれ内閣が迷走した。それだけに今回も不用意な発言が出ないとも限らないとの不安が官邸内にはある。「政府や党の外交ではなく、個人のまさに旅行ではないか」。藤村修官房長官は5日の記者会見で、鳩山氏を冷たく突き放した。(2012/04/05-19:43)

  http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2012040500852