ローマ法王、「麻薬戦争」を憂慮=メキシコで60万人ミサ
【ボゴタ時事】メキシコを訪問中のローマ法王ベネディクト16世は25日、中部シラオで大規模な野外ミサを行った。「麻薬戦争」による治安の悪化が深刻なメキシコの現状について、法王は「汚職や麻薬密売で大勢の人が苦しみ、多くの家族が引き裂かれている」と憂慮。暴力の停止を呼び掛けた。
地元メディアによると、就任後初めてメキシコを訪れた法王を間近で見ようと、約64万人の市民がミサに駆け付け、熱狂的な歓声を送った。法王は26日、次の訪問先の社会主義国キューバに向かう。(2012/03/26-08:56)
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2012032600080
メキシコ大統領と会談 ローマ法王
2012.3.25 17:39
メキシコを訪問中のローマ法王ベネディクト16世は24日、中部グアナフアトで同国のカルデロン大統領と会談。その後、同市内の広場に面した建物のバルコニーから、集まった地元数千人の子供たちにあいさつした。
法王庁(バチカン)やメキシコ大統領府によると、会談は約20分間で、両者は組織犯罪防止のための国際的な小火器の取引規制に関する条約締結の必要性で一致した。メキシコでは麻薬組織同士の抗争や掃討作戦などで過去5年間に5万人近くが殺害されており、これを念頭に置いたとみられる。
法王は子供たちに「あなた方は特別な存在です」などと語りかけ、広場は何度も大歓声に包まれた。(共同)
法王庁(バチカン)やメキシコ大統領府によると、会談は約20分間で、両者は組織犯罪防止のための国際的な小火器の取引規制に関する条約締結の必要性で一致した。メキシコでは麻薬組織同士の抗争や掃討作戦などで過去5年間に5万人近くが殺害されており、これを念頭に置いたとみられる。
法王は子供たちに「あなた方は特別な存在です」などと語りかけ、広場は何度も大歓声に包まれた。(共同)
ローマ法王が40万人野外ミサ 「麻薬戦争」のメキシコで
2012.03.26 Mon posted at: 09:49 JST
メキシコ・シラオ(CNN) 中米を訪問中のローマ法王ベネディクト16世は25日、メキシコ中部グアナファト州シラオの公園で野外ミサを行った。国営メキシコ通信によると、ミサにはカトリック信者40万人が出席し、法王の説教に耳を傾けた。
法王が到着すると、風船や横断幕を掲げた信者たちから大きな歓声が上がった。この日のために野営して一夜を明かした人も多かった。
ミサの中で法王は、メキシコの信者に向けて信仰心を保つよう呼びかけ、「メキシコと中南米の子どもたちに寄り添い、お守りください」と聖母マリアに祈りをささげた。
同国では麻薬取引絡みの凶悪犯罪が頻発し、カルデロン大統領が2006年に麻薬カルテル撲滅を宣言して以来の死者は4万7000人を超す。こうした現状を受けて地元の大司教は、国民の間には「恐怖と無力感、苦痛が蔓延(まんえん)している」と指摘、集まった人たちに希望の言葉を伝えてほしいと法王に訴えた。
ローマ法王は23日にメキシコに到着した。中南米のスペイン語圏を訪れるのは初めてで、26日にはキューバ入りする。ポルトガル語圏のブラジルは2007年に、米国は翌08年に訪問している。
メキシコの国家統計地理情報局によると、カトリック信者の割合はグアナファト州が人口の90%と国内で最も多い。国全体では83%を占めている。
ローマ法王がメキシコでミサ、信者60万人に麻薬戦争撲滅訴え
2012年 03月 26日 10:20 JST[レオン(メキシコ) 25日 ロイター] メキシコを訪問中のローマ法王ベネディクト16世(84)が25日、中部レオンで野外ミサを行い、同国でまん延する麻薬犯罪や汚職を非難するとともに、約5万人が命を落としている麻薬戦争の撲滅を訴えた。
60万人以上が広場を埋め尽くしたミサで法王は、「多くの家族が離れ離れになり、多くの人が貧困や汚職、家庭内暴力、麻薬犯罪、価値観の危機、増加する犯罪に苦しめられている時こそ」信仰の力に目を向けるべきだと呼び掛けた。
メキシコは、世界で2番目に信者が多いカトリック大国。会場に長い列を作って集まったミサの参加者は、照りつける太陽の下、法王の言葉に耳を傾けていた。信者の中には、1日以上前からテントを張り、この日のミサに備えた人もいた。
ベネディクト16世にとっては2005年の就任以来2度目の中南米訪問。前任者の故ヨハネ・パウロ2世は、カトリック信者の半数が住むとされる中南米に、ほぼ年に1度訪れていた。
法王は26日、キューバを訪問する。
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【こぼれ話】ローマ法王歓迎で停戦呼び掛け―メキシコ麻薬組織
【メキシコ市18日AFP=時事】メキシコの麻薬組織「テンプル騎士団」はこのほど、ローマ法王ベネディクト16世の同国訪問を歓迎するためとして、短期間の停戦を呼び掛けた。グアナフアト州政府筋が18日明らかにした。(写真はスラム街の丘の上にある十字架とそばに立つ人々。ベネズエラの首都カラカスで2010年撮影)
それによると、「テンプル騎士団」は停戦を呼び掛ける看板を同州内の少なくとも七つの町に掲げた。イラプアトの町に掲げられた看板には「テンプル騎士団はすべての暴力行為を手控えている。われわれは殺人者ではない。ようこそ法王」と書かれているという。ベネディクト16世は23日にレオンに到着する予定だ。
メキシコではカルデロン大統領が軍を動員して始めた麻薬組織撲滅作戦により、2006年からこれまでに約5万人が死亡している。 〔AFP=時事〕(2012/03/19-22:53)
http://www.jiji.com/jc/a?g=afp_soc&rel=j7&k=20120319028579a