胡錦濤国家主席、「ミサ胡錦濤国家主席、「発射を中止させる努力をする」=北朝鮮のミサイル発射について
朝鮮半島、緊張緩和の流れ反転しないよう望む=中国国家主席
2012年 03月 26日 14:35 JST
[北京 26日 ロイター] 中国の新華社によると、胡錦濤・国家主席は26日、朝鮮半島の緊張緩和の流れが反転しないことを望むと述べた。またすべての関係国に対し、緊張がこれ以上高まるのを避けるため、冷静さを保ち、自制するよう求めた。
ソウルで開催中の安全保障サミットに出席した複数の当局者を引用した記事によると、胡主席は、「現在、状況は非常に複雑で微妙だ。ようやく生まれた半島情勢緩和の流れを反転させたくない」と述べた。
オバマ米大統領は25日、北朝鮮による核の挑発行為を「見て見ぬふりをしている」と中国政府を批判。さらに北朝鮮に対しては、予告通り来月にロケット打ち上げを強行すれば制裁を強化すると警告していた。
中国主席「発射中止へ努力」表明 北朝鮮ミサイル
2012年3月26日14時8分
訪韓している中国の胡錦濤(フー・チンタオ)国家主席と韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領が26日午前、韓国大統領府で会談。韓国政府によると、北朝鮮が「人工衛星打ち上げ」として予告している長距離弾道ミサイル発射について胡主席は「深い憂慮」を示し、中止させる努力をすると表明した。
中国はこれまで「打ち上げ」に憂慮を表明していたが、中止を求める姿勢を示したのは初めて。
韓国政府の説明によると中国側は、北朝鮮に対して「打ち上げ」を放棄し、国民生活の発展に集中するよう求めていることを明らかにした。両首脳は、この問題が朝鮮半島の平和と安定や北朝鮮の核問題をめぐる6者協議の再開にも悪い影響を与える可能性があるとの認識で一致した。
中国は、国境を接する北朝鮮を刺激したくないのが本音だが、発射によって北朝鮮と国際社会との摩擦が強まれば、かえって朝鮮半島の緊張が高まると判断したとみられる。
米韓などに続き中国が中止を求める考えを示したことで、北朝鮮への「包囲網」ができつつあるが、北朝鮮側は「宇宙の平和利用」と強調しており、中止に踏み切るかは不透明だ。(ソウル=峯村健司、貝瀬秋彦)
ミサイル:北朝鮮、発射は核安保サミット・総選挙狙い
ソウルでの核安全保障サミットに先立ち、北朝鮮は24日までに、長距離ロケットの胴体を列車で平安北道鉄山郡東倉里の実験場に搬入したことが確認された。
韓国軍合同参謀本部と韓米連合司令部は25日、北朝鮮が長距離ロケットの本体を東倉里実験場に搬入し、建物内で打ち上げ準備作業を行っていることを韓米の軍当局が把握していると説明した。これは北朝鮮が平壌市山陰洞のミサイル工場から特殊列車でロケットの1-3段目を東倉里実験場に運び、組み立て棟で打ち上げ準備に入ったことを示している。
ロケット搬入の情報が伝わった25日は、核安全保障サミットの開幕前日だった。政府消息筋は「列車が米国の偵察衛星に発見されることを北朝鮮が知らないはずはない。核安全保障サミット直前にロケットを搬入したのは、北朝鮮の世界に対する武力誇示ではないか」と指摘した。
北朝鮮の長距離ロケット打ち上げ日程は、韓国で4月11日に行われる総選挙とも重なっている。安全保障当局者は「与野党の選挙運動が盛り上がる4月上旬に発射台にロケットが姿を現し、韓半島(朝鮮半島)の緊張が高まるとみられる」と述べた。北朝鮮をめぐる安全保障問題は選挙の争点となる可能性が高い。専門家は、北朝鮮が天安爆沈事件(2010年3月)から3カ月後に行われた韓国の地方選挙で現在の野党勢力が勝利したことを受け、選挙に介入すべきだとの判断を下した可能性を指摘する。
ロケット打ち上げが予定される4月中旬は「金正恩(キム・ジョンウン)時代」の体制を確立する朝鮮労働党代表者会、最高人民会議(13日)が相次いで開かれる。党代表者会では、金正恩氏が党総書記に就任するか否か、最高人民会議では金正恩氏が国防委員長に就任するか否かが関心事だ。
父親の故・金正日(キム・ジョンイル)氏が北朝鮮を統治するためのポストとして位置付けてきた国防委員長というポストが廃止されるとの観測もある。金正日氏も金日成(キム・イルソン)主席が死去後、主席ポストを廃止し、金日成氏を「共和国の永遠の主席」としてたたえた。
シンクタンク、世宗研究所の鄭成長(チョン・ソンジャン)首席研究委員は「主席制を廃止した金正日氏は国防委員長を国家の最高ポストとし、その座に就いた。金正恩氏も金正日氏の例に倣う可能性が高い」と指摘した。国防委員会と国防委員長ポストを廃止し、新たな国家体制をつくり、そのトップに金正恩氏が就任する可能性が高いとの見方だ。
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/03/26/2012032601097.html