ページ

2012/03/14

「東京電力の幹部らが菅前総理大臣に対応していた50分くらいの間、事故対応がされず、機能していなかったように見えた」

菅前首相のしっ責、映像に 東電記録、公表せず
 東京電力福島第1原発事故発生5日目の昨年3月15日早朝、菅直人前首相が東電本店に乗り込み、現場からの作業員撤退をめぐり東電幹部らを厳しくしっ責する様子を記録した映像があることが14日、分かった。

 国会が設置した福島第1原発事故調査委員会(委員長・黒川清元日本学術会議会長)が都内で開いた第6回委員会で明らかにした。

 同委員会によると、東電本店や第1原発の免震重要棟をつなぐテレビ会議システムで録画されていた。菅前首相と当時の清水正孝東電社長が会談中、4号機で爆発が起き、第1原発の吉田昌郎所長(当時)がヘルメットをかぶる様子も写っていた。音声はない。
(3月14日 20:07)



国会事故調:4号機爆発は菅前首相の東電訪問中 録画映像
 東京電力福島第1原発事故の原因などを調べている国会の事故調査委員会(委員長、黒川清・元日本学術会議会長)は14日、東京都内で第6回委員会を開いた。東電本店や同原発などを結ぶテレビ会議システムの録画映像から、昨年3月15日早朝、東電幹部が本店に来た菅直人前首相への対応中、4号機の爆発があったことが明らかになった。

 映像では、菅前首相が作業員の撤退をめぐって東電の清水正孝前社長らを厳しく叱責する様子が記録されていた。吉田昌郎(まさお)同原発前所長もシステムを通じて菅前首相に対応していた時、4号機で爆発が起きた。東電幹部と菅前首相のやりとりは約50分間だったという。

 この日の委員会に出席した武藤栄(さかえ)前副社長は「別の幹部が原発の運転状況を確認していた」などと述べ、菅前首相への対応による作業への支障は否定した。

 委員会によると、記録映像は事故直後のものがなく、菅前首相とのやりとりの部分も音声だけが記録されていなかった。東電はこれまで映像を公表せず、14日の会見でも「社内資料」などとして公開しない考えを示した。【奥山智己、岡田英】

毎日新聞 2012年3月14日 20時32分(最終更新 3月14日 21時06分)





菅前首相の東電本店での演説を録画 国会事故調明らかに
2012/3/14 21:42
 国会の東京電力福島原子力発電所の事故調査委員会(黒川清委員長)は14日の第6回会合で、昨年3月15日早朝に菅直人前首相が東電本店に乗り込み、演説した様子の映像記録が残されていたことを明らかにした。

 東電はこれまで録画を公表しておらず、14日の定例記者会見でも「プライバシーの観点から公開できない」と公表を拒んだ。

 国会事故調によると、東電本店や福島第1原発を結ぶテレビ会議システムに録画されていた。ただ、演説の場面に限って音声がなかったという。14日の会合で、参考人として呼ばれた東電の武藤栄・前副社長は「(前首相は)大変激しい口調で『全員撤退はあり得ない』とおっしゃった。大変厳しく叱責されたと記憶している」と説明した。

 演説は午前5時半すぎに始まり約50分間続いた。4号機が水素爆発した午前6時10分ごろには、福島第1の吉田昌郎前所長があわててヘルメットを頭にかぶる映像も記録されていたという。委員からは「(幹部が前首相の演説を聞く間)数十分機能していないように見えた」との指摘が出た。




福島第一「全面撤退検討」は誤解 東電顧問が証言
 2012/03/14

国会の東京電力福島原子力発電所事故調査委員会は14日に第6回会合を開催し、東京電力の武藤栄顧問 (前副社長・原子力・立地本部長) から聴取を行った。 争点となっている全面撤退について 「そうしたことはまったくない」 と否定。 当時の首相の菅直人氏が全面撤退と誤解して東電本店に乗り込んできたことには 「違和感があった」 と語った。 炉心損傷に関しては 「3月11日の夜には燃料棒が露出する可能性を認識したが、溶けるか溶けないかの判断は難しかった」 と振り返った。

武藤顧問は全面撤退に関して 「3月14日夜から15日未明にかけて2号機の状況は厳しかった。 免震重要棟には700人がいて、2号機を何とか落ち着かせようといろいろな作業を試みていた」 と説明。 その上で 「全員がその場にとどまる必要はなく、福島第二原子力発電所などに移そうと検討していた」 と証言した。

一部を撤退させようと検討した理由については 「2号機の状況が相当切迫しており、危険性があるかもしれなかった」 と語り、撤退させる人数や人選は「本店では判断しかねた。 所長が選んだということだと思う」 と説明した。

全員撤退と誤解した菅氏が15日未明に東電本店に乗り込んできた際の状況に関しては 「大変激しい口調で、全員撤退はあり得ないと叱責 (しっせき) された」 と説明。 その当時の認識については 「我々がまったく考えてもいない全面撤退をあり得ないと言ったので違和感があった」 と述べた。

当時の映像を見た委員からは、菅氏が乗り込んできた後、50分程度にわたって吉田昌郎所長 (当時) や本店の幹部が菅氏の話に聞き入り、発電所の状況をケアできなかったと指摘。 この時間帯には2号機の爆発 (当時の認識、実際は4号機の爆発) が起きているが、これらの一連の経緯を武藤顧問は 「事実だ」 と認めた。

炉心損傷を巡っては、 「事故直後から注水が切れれば後に炉心損傷に至ることは、関係者が常に頭に置きながら対応していた」 と語った。 その上で 「当時は中操 (中央制御室) で取れるデータが限られており、 (炉心損傷を) 瞬時に判断するのは難しかった」 と述べた。






テレビ会議の録画が存在=菅前首相の演説も-国会事故調に開示・東電
 東京電力福島第1原発事故で、東電は14日、事故当日の昨年3月11日以降、本社と福島第1、第2原発を結ぶテレビ会議システムでのやりとりを録画した映像があることを明らかにした。同社は国会の事故調査委員会の要請を受け、委員に一部を見せたが、「社内資料なので一般への公開はしない」としている。
 東電によると、映像は昨年3月11日以降、福島第2原発で録画されたものと、同12日以降、本社で録画されたものがある。録画は断続的で、音声がないものもあるという。同15日早朝に菅直人首相(当時)が本社に乗り込み、第1原発からの撤退を認めないとした映像も残っていたが、音声は記録されていなかった。
 東電の松本純一原子力・立地本部長代理は14日の記者会見で、「自動的な録画機能はなく、組織的に録画を残していたわけでもない」と説明。いつまで録画をしていたかも不明とした。(2012/03/14-20:21)

 http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2012031401020




菅前首相の東電訪問 録画残る
3月14日 23時8分
14日に開かれた国会の原発事故調査委員会で、菅前総理大臣が、事故から4日後に東京電力の本店を訪れたときの様子を、東京電力が録画していたことが分かりました。

ただ、菅前総理大臣と幹部らのやり取りの部分の音声は録音されておらず、黒川委員長は、記者会見で「びっくりした」と述べ、疑問を呈しました。

14日の事故調査委員会では、東京電力から総理大臣官邸に撤退とも受け取れる打診が行われ、事故から4日後の3月15日早朝に、菅前総理大臣みずからが東京電力の本店を訪れ、「撤退はありえない」と述べたことなどを巡って、質疑が行われました。

この中で、参考人として出席した東京電力の武藤栄・前副社長は、「大変厳しい口調で叱責された。われわれが全然考えていないことで、違和感があった」と述べ、東京電力では全面撤退は検討していなかったと強調しました。

一方、調査委員会の委員は、菅前総理大臣が東京電力を訪れたときの様子が、東京電力のテレビ会議システムで録画されていたことを明らかにし、「東京電力の幹部らが菅前総理大臣に対応していた50分くらいの間、事故対応がされず、機能していなかったように見えた」と指摘しました。

さらに、別の委員は、録画には、菅前総理大臣とのやり取りの部分の音声が録音されていなかったとしたうえで、「そのところだけ音がないのは、奇異に感じる」と疑問を呈しました。

これについて、武藤前副社長は「その経緯は把握していない」と述べるにとどめました。

会合のあと、原発事故調査委員会の黒川委員長は、記者会見で「東京電力に要求して映像を見せてもらったが、東京電力の説明では、もともと音声の一部が入っていなかったということだ。私も、音声が録音されていないことを聞いたときにびっくりした」と述べました。

また、黒川委員長は「東京電力は、総理大臣官邸の介入に対しては納得していないということを感じた。原発の事故については、いまだに分かっていないことが多いので、6月の報告取りまとめに向けて、真相究明に取り組んでいきたい」と述べました。

 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120314/t10013726621000.html