東京電力福島第一原発4号機で15日午前6時14分、原子炉建屋付近で大きな爆発音がした。
東電によると、使用済み核燃料プールがある建屋5階の屋根に損傷を確認した。さらに同日午前9時38分、4階付近で出火しているのが見つかり、東電は地元福島県と国に通報するとともに、自衛隊と米軍に消火活動への協力を要請した。原子炉内に水を供給する再循環ポンプの配電盤付近が火元とみられる。
東電によると、4号機は地震発生時は定期点検中で停止中。プールは使用済み核燃料や、定期点検で炉内整備する際に取り出した核燃料を冷やしながら保管する場所。4号機では原子炉内を整備しており、核燃料もこのプールで同時に保管していた。
地震に伴い、プールは電源を失って水を循環できなくなり、通常40度程度の水温が、85度にまで上昇、東電で監視を続けていた。
(2011年3月15日11時46分 読売新聞)
東日本大震災:建屋で火災 福島第1原発4号機
2011年3月15日 11時38分 更新:3月15日 11時43分
東京電力は15日、福島第1原発4号機で同午前6時ごろ大きな音がし、5階建ての原子炉建屋5階の屋根付近に損傷を確認したと発表した。また9時38分ごろには建屋の4階北西部付近で出火を確認。11時現在も消火作業中。
政府によると、4号機で水素爆発が起きた模様だ。燃料付近に火災は及んでいないという。
4号機は地震発生当時は定期検査中で運転しておらず、燃料は原子炉からすべて出され、5階に水面がある使用済み燃料プール内に納められていた。午前4時18分にプールの水温が84度まで上昇しており、水素爆発は、プール内の使用済み燃料から発生した水素と酸素が反応して起きたらしい。
火災現場の4階北西部には再循環ポンプの電源や制御装置がある。大きな音がした5階は原子炉格納容器の上部にあたる「オペレーションフロア」と呼ばれる広い空間で、燃料の搬出入に使うクレーンがある。
東電は、同8時半ごろ正門付近で非常に高い放射線量が計測されたことと、この事象とに何らかの関係があるかもしれないとしている。【足立旬子、関東晋慈、山田大輔】
“4号機 水素爆発と推察”
3月15日 11時22分
枝野官房長官は、午前11時すぎからの記者会見で、「福島第一原子力発電所の4号機については火災が起きている。原子炉自体は震災発生時から休止しているが、内部に保管されている使用済み核燃料が熱を持っていることから水素が発生しており、これまで1号機と3号機で起こったような水素爆発が起きたと推察される」と述べて、水素爆発が起きたことを明らかにしました。