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2012/01/02

平田容疑者、「教祖の死刑執行は当然のことと考えている」

「松本死刑囚もオウムも信仰していない」平田容疑者声明
2012年1月2日23時40分
 平田信容疑者は2日午前、この日接見した滝本太郎弁護士を通じて「声明」を出した。

 それによると、出頭の理由は「国松長官(銃撃)事件が時効になり、間違った逮捕はあり得なくなったので早く出てきたかった。だが色々なことがあり遅れた。(東日本)大震災で不条理なことを多く見て、自分の立場を改めて考えた。2011年のうちに出頭したかった」と説明している。教団元代表の松本智津夫(麻原彰晃)死刑囚(56)については「死刑執行は当然と考えている。松本死刑囚もオウム真理教も信仰していない」とした。





「迷惑掛かる」と逃亡生活語らず=銃撃事件の時効受け出頭と声明-平田容疑者
 オウム真理教による目黒公証役場事務長仮谷清志さん=当時(68)=の監禁致死事件で、警視庁に出頭し逮捕監禁致死容疑で逮捕された元教団幹部平田信容疑者(46)が、16年を超える逃亡生活について「余計なことを言うと人に迷惑が掛かるので言えない」と、支援者の存在をほのめかし、回答を拒否していることが2日までに、捜査関係者への取材で分かった。

 平田信容疑者と接見した滝本太郎弁護士は同日、同容疑者の声明を発表した。「長官銃撃事件が時効になったので間違った逮捕はあり得なくなったので早く出てきたかった」と同事件への関与を否定。「教祖の死刑執行は当然のことと考えている。オウム真理教を信仰していない」「東北の大震災で不条理なことを多く見て、自分の立場を改めて考えた」などとしている。

 滝本弁護士は1989年11月からオウム真理教被害対策弁護団で信者の脱会支援に当たるなどしており、94年5月、甲府地裁の駐車場で車にサリンをかけられ、中毒症を負った。この日、平田容疑者から要望があり、接見したという。

 一方、平田容疑者は教団の女性信者と共に逃亡生活を続けていたとみられるが、この女性信者は96年2月に勤務先の仙台市宮城野区の飲食店から姿を消してから行方が分かっていない。

 同容疑者は出頭時数万円の現金を所持し、身なりも清潔だったことから、警視庁は女性信者らから逃亡資金などの援助を受けていたとみて、実態解明を進める。(2012/01/02-16:32)
http://www.jiji.com/jc/zc?key=%ca%bf%c5%c4&k=201201/2012010100104



“長官狙撃疑われ出頭できず”
1月2日 18時33分
オウム真理教の元幹部で東京の公証役場事務長の監禁致死事件で逮捕された平田信容疑者は、17年近くたってから出頭したことについて、「自分は警察庁長官の狙撃事件に関係していないのに、捜査対象になっていると聞いて恐ろしくなり、これまで出頭できなかった」と警視庁の調べに対して話していることが、捜査関係者への取材で分かりました。

オウム真理教の幹部だった平田信容疑者(46)は、平成7年2月、東京・品川区の公証役場の事務長だった假谷清志さん(当時68)を車に乗せて監禁したうえ、教団施設で薬物を注射して死亡させたとして、1日、監禁致死の疑いで逮捕され、2日午後、身柄を検察庁に送られました。
これまでの調べに対し平田容疑者は、「車を運転していただけで、假谷さんが死亡したことはあとから知った」と容疑の一部を否認しているということです。

さらに事件から17年近くたってから出頭したことについて、「自分は警察庁長官の狙撃事件に関係していないのに、捜査対象になっていると聞いて恐ろしくなり、これまで出頭できなかった」と話していることが、捜査関係者への取材で分かりました。

また、オウム真理教の教祖だった麻原彰晃、本名・松本智津夫死刑囚の刑の執行を遅らせるために出頭したのではないと話しているということです。

一方、接見した滝本太郎弁護士によりますと、平田容疑者は、「松本死刑囚の死刑は当然だと考えており、オウム真理教を信仰していない」と話しているということです。警視庁は、教団による一連の事件での関わりや、逃亡中の生活実態の解明を進める方針です。

平田容疑者と接見した滝本弁護士は、オウム真理教被害対策弁護団の1人で、みずからも平成6年に教団幹部らによってサリンを車にまかれた殺人未遂事件の被害者です。これまで、被害者の救済のほか、教団を脱会した元信者らの支援を続けてきました。

滝本弁護士によりますと、1日朝、平田容疑者から警察を通じて「面会したい」という要望があったということで、平田容疑者は、その理由について「ブログを見て、教団側の弁護士ではなく、また教団のことをよく知っていると思ったから」と話したということです。

滝本弁護士は、これまでに、ブログで平田容疑者ら特別手配の3人に対し、「そろそろ出てきたほうがいいと思う」などと出頭を呼びかけていました。今後、被害対策弁護団の了承が得られれば弁護を引き受けるということです。







警察庁長官銃撃事件 平田容疑者の関与の有無焦点 「時効になり間違った逮捕なくなった」と説明
2012/1/2 13:30
 目黒公証役場事務長の監禁致死事件で警視庁に逮捕されたオウム真理教元幹部、平田信容疑者(46)は、すでに公訴時効を迎えた国松孝次警察庁長官(当時)銃撃事件に関与した可能性が指摘されてきた。これまでの調べに「関係ない」と関与を否定。接見した弁護士には「事件が時効になり、間違った逮捕がなくなったので出てきた」とも説明しているが、同庁は慎重に捜査を進める方針だ。

 捜査関係者によると、平田容疑者は高校時代に射撃部(エアライフル)に所属し、インターハイに出場した経験も。教団では松本智津夫死刑囚(麻原彰晃、56)の警護役を任され、「射撃の名手」と評価されていた。教団が武装化を進めていた当時、複数の教団幹部がロシアで特殊部隊出身者から射撃訓練を受けた際、平田容疑者も参加したとみられている。

 1995年3月に起きた長官銃撃事件に絡んで平田容疑者の名が浮かんだのは、96年5月に「自分が撃った」と事件への関与を認めた元警視庁巡査長の供述がきっかけだった。

 元巡査長は現場にいた人物の1人として平田容疑者を挙げ、「一緒に車に乗って現場から逃走した」と説明。元巡査長から「現場に似た男がいた」とされた元教団幹部、端本悟死刑囚(44)も「平田容疑者は銃撃事件後、伊豆大島に向かうフェリーから(拳銃の入った)バッグを捨てた」と供述したとされる。

 身長183センチある平田容疑者に似た背の高い男が現場から自転車で逃げたという目撃証言もあり、同容疑者は事件の鍵を握る人物としてクローズアップされた。

 だが、元巡査長の供述はその後、変遷を繰り返し、「現場にいた人物」の中から平田容疑者の名前は消えた。同容疑者がフェリーに乗った事実も確認されなかった。

 警視庁は04年7月、実行役を特定しないまま、元巡査長や元教団幹部ら3人を殺人未遂容疑で逮捕。しかし、東京地検は「供述は信用できず、裏付けも困難だ」として嫌疑不十分で不起訴処分とした。平田容疑者の行方は分からないまま、10年3月に事件は公訴時効が成立した。

 捜査関係者は「平田容疑者の供述次第で、事件の真相が明らかになる可能性もある」と期待を寄せているが、同容疑者は「関係ない」と関与を否定しているという。







何語る、闇を知る男 長官銃撃で浮上「最重要人物」
2012.1.3 01:13
 平田信容疑者は麻原彰晃(本名・松本智津夫)死刑囚(56)の警護担当として非合法活動に関与していたとされ、国松孝次警察庁長官(当時)銃撃事件でも一時期、捜査線上に浮上、警察当局が3人の特別手配容疑者の中で「最重要人物」として行方を追っていた。警視庁は、残る2人の特別手配容疑者や未解明のままになっている一連のオウム事件について何らかの事情を知っているとみて、その供述に関心を強めている。

 長官銃撃事件の捜査を担当した警視庁公安部は、平田容疑者が高校の射撃部で全国大会に出場していた経歴に着目。平田容疑者の身長が犯人の目撃証言と一致したことからも、実行犯の疑いを抱いた。元信者の供述も平田実行犯説を後押しした。元信者、端本悟死刑囚(44)は「『君がやったのか』と平田に聞くと『大島に行く途中で海にカバンを捨てた』と言っていた。拳銃が入っていたのかと思う」。長官を銃撃したと供述した警視庁元巡査長(46)も「現場に平田がいた」と話していた。

 しかし公安部は、射撃現場の壁に付着していた繊維痕と硝煙反応から実行犯の身長を172・3~176・7センチと推定。183センチの平田容疑者とは合わず、端本死刑囚や元巡査長の供述もあいまいな点が多いなどとして、平田容疑者の線は捨てた。

 平成22年3月の時効成立時には、元巡査長や端本死刑囚らを実行グループと特定し、「教団による組織的なテロ」とする捜査結果を公表した。実行グループの役割は特定できなかった。

 それでも、平田容疑者が何らかの事情を知っているとみる捜査員は多い。

 長官銃撃事件に限らず、残る特別手配容疑者の菊地直子(40)、高橋克也(53)両容疑者=いずれも地下鉄サリン事件の殺人、殺人未遂容疑など=の潜伏先や、村井秀夫元幹部=当時(36)=刺殺事件など、一連のオウム事件の未解明部分について、平田容疑者が真相を見聞きしていると考える捜査幹部は少なくなく、「聞きたいことは山ほどある」という。

 平田容疑者は事件当時、麻原死刑囚の警護を担当する「SPS(尊師パーソナルスタッフ)特別警備」に所属し、「車両省」幹部として非合法活動に関与していたとされる。捜査幹部は「麻原死刑囚と間近で接してきた平田容疑者が、その“肉声”を供述すれば、真実が浮かび上がる」と期待を寄せる。