大王製紙前会長の特別背任事件で、6月に開かれた同社の取締役会で配布された有価証券報告書に関する資料に、子会社から井川意高容疑者(47)への貸し付けが記載された部分が含まれていなかったことが23日、関係者の話で分かった。
取締役会は井川容疑者が議長を務めていた。東京地検特捜部は、井川容疑者が発覚を恐れ、借り入れ部分を除外した可能性もあるとみて調べを進める。
取締役会は6月29日に開かれ、11年3月期の有価証券報告書提出などの案件が報告された。その際、コピー資料が配布されたが、連結子会社から井川容疑者への貸し付けが記載されたページは添付されていなかった。
2011/11/23 18:37 【共同通信】
井川前会長、借り入れ資料配布せず
今年6月に開かれた「大王製紙」の取締役会で、前会長、井川容疑者への巨額の貸しつけ金に関する資料が配布されていなかったことがわかりました。
「大王製紙」の前会長、井川意高容疑者(47)は、カジノでの借金を返済するためグループ企業4社にあわせて32億円を振り込ませ損害を与えたとして、東京地検特捜部に特別背任の疑いで逮捕されました。
借り入れは去年5月ごろに始まりましたが、関係者によりますと、今年6月に開かれた大王製紙の取締役会で、借り入れ金に関する資料が配布されていなかったことがわかりました。この時点ですでに60億円余りあった借り入れ金は、それからわずか3か月で106億円にまで膨れ上がっています。
特捜部では、資料が意図的に省かれたことで借り入れが膨れ上がった可能性もあるとみて調べています。(25日11:23)