「（井川容疑者の賭ける金額は）１０万香港ドル（約１００万円）いかない程度です。せいぜい３万香港ドル（約３０万円）くらい」
カジノ同席で証言「井川前会長は冷静」
大王製紙の前会長がカジノでの借金を返済するため、グループ企業から巨額の金を借り入れ、損害を与えたとして逮捕された事件です。２年前、中国・マカオのカジノで前会長と一緒にギャンブルをしたという中国人の女性実業家がＪＮＮのインタビューに応じ、「井川容疑者はとても冷静で、衝動的に金を賭ける人ではなかった」と語りました。
「この顔、よく知っています。よくこういう表情をしていました。彼には２年前に会いました」（井川容疑者とカジノで会った中国人女性）
中国・マカオで会社を経営する４０代の中国人女性。女性は２年前、マカオにある複数のカジノで大王製紙の前会長・井川意高容疑者（４７）とともにバカラ賭博などのギャンブルを楽しんだといいます。
「彼には自制心があるように見えました」（井川容疑者とカジノで会った中国人女性）
ギャンブルの舞台は高額レートしか賭けられない特別な部屋だったといいます。
「高額レートの部屋で（会った）。（部屋には）５、６人がいました。彼はポケットに手を入れながら、落ち着いた様子でバカラ賭博のテーブルをしばらくゆっくりと見て、それから遊び始めました」（井川容疑者とカジノで会った中国人女性）
井川容疑者はカジノでの借金を返済するため、グループ企業４社に合わせて３２億円を振り込ませて損害を与えたとして特別背任の疑いが持たれています。借り入れは去年５月から始まり、その総額は１０６億円余りにのぼっています。しかし、これより前に井川容疑者とカジノで出会っていた女性は「井川容疑者はそんなに大口の賭けをする人ではなかった」と語ります。
「（井川容疑者の賭ける金額は）そんなに高い額ではありませんでした。１０万香港ドル（約１００万円）いかない程度です。せいぜい３万香港ドル（約３０万円）くらい」（井川容疑者とカジノで会った中国人女性）
逮捕後、弁護士を通じて配布した文書で、「先物取引などで生じた損失を取り戻すため、カジノに行ったところ、深みにはまった」と説明している井川容疑者。
Ｑ．井川容疑者が逮捕されたことは知っている？
「え、そうなんですか。知らないです」
Ｑ．会社の金を使ってギャンブルしていたらしいが？
「違います。彼は絶対、そんな人ではありません。彼は冷静で、衝動的にお金を賭けるような人ではありません」（井川容疑者とカジノで会った中国人女性）
しかし、グループ企業からの借り入れ金を手にして以降、シンガポールにあるカジノ併設のホテルで長期滞在する井川容疑者の姿が確認されました。
「私の知っている記録だと、彼は今年６月から７月半ばまで滞在していました」（ＶＩＰ担当の従業員）
ホテルでは井川容疑者は“特別な客”として扱われていたといいます。
「彼は（ＶＩＰの中でも）かなりランクが高い方ですね。普通の従業員は彼に接してサービスすることはできません」（ＶＩＰ担当の従業員）
ホテルの関係者によりますと、特別会員になるには１００万シンガポールドル（日本円でおよそ６０００万円）の会員料が必要だということです。井川容疑者がこのホテルを利用し始めた６月ごろには、６０億円余りだった借入金はわずか３か月後には１０６億円にまで膨れ上がっていて、東京地検特捜部は事件の全容解明を進めています。（25日16:38）
