【ダブリンAFP=時事】欧州屈指のカトリック国家として知られてきたアイルランドで、カトリックの権威が揺らいでいる。カトリック系シンクタンク「アイオナ研究所」が5日までに公表した世論調査結果では、半数近くがカトリックへの不支持を表明した。
成人1000人を対象にした同調査で、不支持47%に対し、支持は27%。不支持のうち半数以上が、聖職者による少年への性的虐待を理由に挙げ、さらに半数近くが教会の持つ隠蔽(いんぺい)体質に嫌悪感を示した。アイルランドからカトリック教会が消えて無くなればいいと回答した割合も22%に上った。
世論の動向を受け、ケニー首相は教会を「機能不全、民心からの乖離(かいり)、選民思想の固まり」と批判、支持を集めている。金融危機克服が最優先の首相は3日、節約を理由に在バチカン市国大使館の閉鎖も発表した。(2011/11/06-07:34)
2011/11/08 Tue 09:11
カトリック神父による性的虐待被害者への補償金は、あまりにも遅すぎ
カトリック神父による性的虐待の被害者への補償額は一人最高で10万ユーロとなる。オランダ司教評議会とオランダ宗教評議会は、リンデンベルグ委員会による提案を受けいれ、これを提示した。しかしながら、被害者の会は、金額があまりにも少なすぎ、また解決が遅すぎたと声明を発表した。
リンデンベルギ委員会は2人の個人法専門の教授と2人の弁護士からなるもので、今回のローマカソリック教会の性的虐待スキャンダルを調査していた。
すでに時効を過ぎたものを含め、被害者への補償金は支払われる。金額は虐待のひどさによって決まる。しかし、この虐待の程度というものは、被害者がいかに肉体的、精神的な被害を被ったかの判断が難しい。さらに、被害者の数は実際にはもっと多いものの、多くがトラウマをかかえておりコンタクトが難しい。
虐待を加えた複数の神父や司教への刑事責任は問われていない。