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2011/11/22

大王製紙前会長を会社法違反容疑で逮捕

大王製紙前会長逮捕=巨額借り入れ、特別背任容疑-子会社に32億円損害・東京地検
 大王製紙前会長による巨額借り入れ問題で、東京地検特捜部は22日、カジノでの負債の支払いなどに充てる目的で総額約106億円を子会社から借り入れ、少なくとも32億円の損害を与えた疑いが強まったとして、会社法違反(特別背任)容疑で前会長井川意高容疑者(47)を逮捕し、自宅などを家宅捜索した。

 弁護人によると、井川容疑者は特捜部の調べに事実関係を認めている。グループを支配する創業者一族の前会長による巨額借り入れは、刑事事件へと発展した。

 特捜部は、85億円を超えるとされる未返済の借り入れの大半は、マカオやシンガポールのカジノでの借金の穴埋めに使われたとみており、損害額はさらに増える可能性がある。

 逮捕容疑によると、井川容疑者は子会社4社の会長としての任務に背き、賭博の負債の支払いなど自己の利益を図る目的で、7~9月、7回にわたり貸付金として計32億円を指定した口座に振り込ませ、4社に同額の損害を与えたとされる。

 4社からの借り入れはいずれも未返済で、事前に取締役会の承認を得ることなく、全て無担保で行われたという。大王製紙が21日、同容疑で告発状を提出していた。(2011/11/22-12:24)

http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2011112200258&j4




2011/11/22 18:22
大王製紙の前会長、特別背任容疑で逮捕
 大王製紙の井川意高前会長(47)はグループ企業から引き出した巨額の資金を個人的に使用し会社に損害を与えた疑いが強まり、22日、特別背任容疑で逮捕された。前会長の失墜が一段と世間に知れ渡ることとなった。

テレビカメラが押し寄せるなか、東京地検特捜部の10人ほどの捜査官が東京渋谷区の高級住宅街にある前会長宅に詰めかけた。会社側は21日に、特別背任の疑いで刑事告発していた。子会社7社に85億8000万円の損害を与えた疑いで、前会長に対する捜査が進められている。大王製紙は前会長の祖父が1943年に創業した。

大王製紙の創業家を巻き込むこのスキャンダルは、オリンパスの経営幹部による損失隠しの影に隠れる格好となっていたが、大王製紙の前会長による巨額の不正借り入れの発覚を受けて、日本の企業統治問題に新たに焦点が当たっている。

不正借り入れに関連し、大王製紙は井川前会長が約50億円の負債を抱えて9月に会長職を辞任したと説明。前会長の辞任を受けて、同社は内部調査を実施した。

調査を行った委員会は10月28日、井川前会長が子会社7社に対し、2010年5月から11年9月にかけて20数回にわたって定期的に様々な銀行口座に総額106億8000万円を振り込むよう指示していたことが明らかになったと表明した。同委員会によると、井川前会長は子会社に直接電話し、翌朝までに指定の口座に要求した金額を振り込むよう指示していた。また、同委員会の報告によると、前会長の返済額は半分に満たない

前会長は22日、弁護士を通じて文書を発表し、責任は全て自らにあると謝罪したうえで、借入金の殆どをカジノでのギャンブルに使ったことを認めている。調査委員会は、報告書公表時に、大王製紙はギャンブルにつぎ込んだという主張の正確さにはコメントできないが、使途について引き続き調査を続けるとしていた







大王製紙前会長を逮捕 東京地検特捜部
特別背任容疑
2011/11/22 11:02 (2011/11/22 13:34更新)
 大王製紙前会長の巨額借り入れ事件で、東京地検特捜部は22日、子会社から無担保で資金を借り入れ損害を与えたとして、前会長、井川意高容疑者(47)を会社法違反(特別背任)容疑で逮捕した。特捜部は同日、東京・渋谷の前会長宅など関係先の家宅捜索も行い、創業家出身の経営トップによる会社私物化の全容解明を急ぐ。

 逮捕容疑は子会社の役員と共謀し今年7月1日~9月6日、子会社4社から自分名義の銀行口座などに7回にわたって計32億円を振り込ませ、4社に損害を与えた疑い。

 特捜部によると、借り入れは無担保で子会社取締役会の事前決議も経ていなかった。ほぼ全額が海外のカジノ関連口座に送金されたとみられる。

 井川前会長は22日、弁護人を通じ「ほとんどをカジノでのギャンブルに使ったことは事実。株式先物取引で多大な損失を出した後、たまたま訪れたカジノでもうけ、深みにはまった。私の不徳の致すところで深く反省している」と逮捕容疑を認めるコメントを発表。特捜部の調べにも同様の供述をしているもようだ。

 大王製紙は21日、子会社7社から85億8000万円を不正に借り入れたとして前会長を告発しており、特捜部は残る告発容疑についても捜査を進めるとみられる。

 同社は22日、「株主をはじめとする関係者の皆様に多大なるご迷惑とご心配をおかけし深くおわび申し上げます。前会長逮捕は大変残念。二度とこのような問題を引き起こさないために企業統治の再構築に努める」とのコメントを出した。

 前会長は大王製紙創業者、故・伊勢吉氏の孫で、2代目社長、高雄氏の長男。07年に社長、11年6月に会長に就任し、同年9月に巨額借り入れが表面化し引責辞任した。

 大王製紙の11年3月期の連結売上高は約4100億円。製紙業界3位で、ティッシュペーパーの「エリエール」ブランドなどで知られる。

http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819695E0E0E2E39C8DE0E0E3E3E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2





大王製紙前会長、容疑の32億円全く返済せず
特別背任事件 2011/11/23 1:44
 大王製紙の前会長の巨額借り入れ事件で、会社法違反(特別背任)容疑で逮捕された前会長、井川意高容疑者(47)が、逮捕容疑となった子会社からの借入金計32億円を全く返済していないことが22日、捜査関係者の話で分かった。井川前会長は借入金の大半をマカオとシンガポールのカジノでの遊興に充てていたことも判明した。

 東京地検特捜部はカジノで生じた支払いに窮した前会長が、巨額の資金を子会社から継続的に引き出した疑いが強いとみて前会長を追及しているもようだ。

 逮捕容疑は、子会社役員らと共謀し今年7~9月、「いわき大王製紙」(福島県いわき市)など子会社4社から、自分名義の銀行口座などに7回にわたって計32億円を振り込ませ、4社に損害を与えた疑いが持たれている。いずれの借り入れも無担保で実行され、取締役会の事前決議を経ていなかったという。

 大王製紙が設置した特別調査委員会や関係者の話によると、前会長は昨年5月~今年9月、子会社7社から計106億8千万円を借り入れた。このうち約47億5千万円については保有する同社子会社株や現金で返済したが、関係者の話によると、逮捕容疑となった計32億円は全く返済しておらず、現在も返済のめどが立っていないという

 32億円のうち2億円は子会社が直接、カジノ運営会社の口座に入金。残りの30億円は前会長の個人口座に入金された後、最終的に同じカジノ運営会社の口座に入金されていた。いずれもマカオとシンガポールのカジノでの遊興費や遊興で生じた負債の支払いに充てたとみられる。

 大王製紙は21日、借入総額のうち、現金での返済分を除く計85億8千万円を被害額として特捜部に告発。特捜部は今後、借入金が未返済のケースや、期限内に返済しないことで子会社が資金難に陥るなどの損害を受けた事例を中心に、他の借り入れを立件するかどうか検討するとみられる。

 前会長は22日、弁護士を通じて「ほとんどをカジノでのギャンブルに使ったのは事実。たまたま訪れたカジノでもうけ、深みにはまった」と逮捕容疑を認めるコメントを発表。特捜部の調べにも同様の供述をしているとみられる。