更新日時: 2011/11/22 23:29 JST
11月22日(ブルームバーグ):スペイン政府が22日に実施した入札で、3カ月物証券の支払い金利がギリシャを上回った。総選挙で大勝した国民党はスペイン国債の支払能力「維持」で欧州に協力を訴えている。
この日の入札で3カ月物の平均落札利回りは5.11%。1カ月前の入札時の2倍を超えた。利回りはギリシャが11月15日に入札した13週間物の4.63%を上回った。その翌日の入札でポルトガルの3カ月物利回りは4.895%だった。ギリシャとポルトガルは欧州連合(EU)主導の救済を受けている。
国民党のマリア・ドロレス・デ・コスペダル書記長は21日、スペインの債務「支払い能力を保ち、保証する」ためのユーロ圏の合意を呼び掛け、同国は7%の金利を支払い続けることはできないと語った。10年債利回り7%はギリシャとポルトガル、アイルランドが救済に追い込まれた水準。
コスペダル書記長によると、国民党のラホイ党首も21日にメルケル独首相との電話で、「義務と責任を果たしている国々を欧州機関は支える必要がある」との考えを首相に伝えた。
スペイン10年債利回りはマドリード時間午前11時55分に6.6%となった。17日に付けたユーロ導入後の最高は6.78%。
JPモルガン・チェースの債券ストラテジスト、ジャンルカ・サルフォード氏(ロンドン在勤)は電話インタビューで、「今はまだ債務の維持可能性の問題ではなく、流動性の危機だ」と述べている。「価格下落、利回り上昇が新たな需要を呼び込むのではなく、投資家をおびえさせている」と同氏は解説した。
スペイン国債利回りは選挙での国民党勝利以来、上昇している。
この日の入札で6カ月物の利回りは5.227%。10月は3.302%だった。3カ月物の応札倍率は2.85倍。10月は3.07倍だった。6カ月物は4.92倍(10月は2.59倍)。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920014&sid=axRBpPpKv74E