【ロンドン時事】17日の欧州金融市場で、スペイン国債の流通利回りが急上昇(価格は下落)、10年物利回りは一時6.8%台(前日は6.4%台)とユーロ導入後の最高水準を更新した。イタリアの国債利回りも一時7.2%台(同7.0%台)まで上昇。その後は両国債とも買い戻されたが、引き続き高水準で推移しており、欧州の債務問題に対する警戒感は緩和していない。
この日実施されたスペインの10年物国債入札では、落札利回りが6.975%とユーロ導入後の最高水準を記録。さらに発行額が目標上限額を割り込み、不調に終わった。このため市場では同国の資金調達懸念が台頭し、国債流通利回りは一時7%目前まで迫った。その後は6.5%台で推移。イタリア国債も6.9%台となっている。
同利回りの7%は、持続的な財政運営が不可能になるとされる水準。これまでギリシャやアイルランド、ポルトガルはこの水準を突破後に同利回りの上昇が止まらなくなり、欧州連合(EU)や国際通貨基金(IMF)への支援要請に追い込まれた。(2011/11/18-00:57)
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&rel=j7&k=2011111700987
スペインの国債利回りが最高に 10年物、一時6.8%
2011/11/17 20:18 (2011/11/18 0:12更新)
【ロンドン=松崎雄典】欧州市場では17日、スペイン10年物国債の指標となる利回り(流通利回り)が前日に比べ一時0.3%強上昇(価格は下落)し、6.8%と単一通貨ユーロ導入後の最高になった。同日実施した期間10年の新発国債入札で36億ユーロ(約3700億円)を調達したが、需要が低く、落札利回りは6.975%と1997年以来の高水準だった。
市場では7%前後が財政運営が難しくなる「危険水域」と捉えられている。ギリシャやアイルランド、ポルトガル、イタリアに続きスペインまで7%突破が迫り、危機拡大への懸念が増している。欧州の清算・決済機関が近くスペイン国債の取引に求める証拠金を引き上げるとの観測も出ている。
売り圧力は各国に広がり、フランスの10年物国債のドイツ債との利回り格差は朝方、ユーロ導入後初めて2%を超えた。ベルギーの10年物国債利回りも5%を超えた。
イタリアの10年物国債利回りは前日に比べ0.2%低い6.9%程度で推移。欧州中央銀行(ECB)はスペインとイタリアの国債を購入しているもよう。午後の取引では全般に利回りの上昇が一服した。
株式市場では独仏など主要国の株価がそろって下落。欧州の主要企業で構成する株価指数「STOXX欧州600」は一時、取引時間中としては1カ月半ぶりの安値を付けた。銀行が抱える国債の含み損が拡大しており、銀行株が安い。