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2011/10/25

ローマ教皇庁は世界の金融規制の見直しと国際的な市場規制当局の創設を呼び掛けている。

「ウォール街を占拠せよ」デモ、バチカン枢機卿が支持-金融規制要望
10月24日(ブルームバーグ):バチカンの枢機卿が「ウォール街を占拠せよ」をスローガンとするデモについて、正当化されるとの見解を示した。ローマ教皇庁は世界の金融規制の見直しと国際的な市場規制当局の創設を呼び掛けている。


  ピーター・タークソン枢機卿は24日、バチカンで記者団に対し「ある時期の人々はこう主張する権利があるのではないだろうか。ビジネスのやり方を見つめ直し違ったやり方で行ってはどうか。なぜならわれわれの幸福や善につながっていないから、と」と指摘。「このことをウォール街の人々に要望することが可能だろうか。私は、そうできるしできるはずだと思う」と述べた。

  タークソン枢機卿はガーナ出身。同枢機卿が議長を務めるバチカンの正義と平和評議会は、金融市場の運営・規制方法の変革を呼び掛けている。バチカンによる金融市場に関する見解の表明は、2009年にローマ教皇ベネディクト16世が回勅で新たな金融秩序の必要性を呼び掛けて以来となる。

  同評議会はバチカンで24日発表した文書にこの提案を盛り込んだ。文書では金融取引への課税も提案されている。文書は「財貨を大規模に蓄えること」は「敵意や暴力までをも助長する風潮を生み出し、非常に堅固と考えられている民主主義的な制度の根幹をいずれ弱体化させる可能性がある」と指摘している。

  バチカンは、各国の中央銀行と同様の機能を果たす「世界中央銀行」など、金融政策に関して「世界共通の権限」を有する機関の設立を呼び掛けている。文書は、このような全面的な変更を「段階的に」進める必要があるとしている。

  タークソン枢機卿は「グローバリゼーションについて誰もが知っており、その影響を感じている。ただ、それぞれの国には単独で対処する能力はない」との見方を示した。

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920016&sid=aaqvkQxJRjD0







「利己心越えた仕組みを」バチカン、国際金融の再編提言
2011年10月25日23時6分
 「利己心を越え、国のレベルでは守れない公共の利益を守る仕組みづくりが我々の世代の責務だ」。世界経済を揺らす債務(借金)危機に対して、カトリックの総本山バチカン(ローマ法王庁)の「正義と平和協議会」が24日、「国際的な金融通貨システムの再編に向けて」とする書簡で提言を発表した。

 具体的には、国際通貨基金(IMF)などに新興国の関与を強め、より効果的な調整や監督ができるようにすべきだとした。欧州中央銀行(ECB)をさらに強化したような「世界中央銀行」の設立も求められている、とも言及した。

 また、「倫理的アプローチ」として、(1)金融取引への課税(2)実体経済の発展に向けた、銀行への資本増強(3)通常の融資と投資の区別なども列挙している。

 この協議会は、キリスト教の教義にあわせて社会問題の改善をはかる目的の組織。経済の分野で踏み込んだ提言をするのは異例だ。