大王製紙の井川意高前会長(47)が複数の子会社から巨額の融資を受けていた問題で、前会長の借入総額が約110億円に上ることが18日、関係者への取材で分かった。うち十数億円は、前会長が管理する米国ラスベガスのホテルに開設された口座に入金されていたことも判明した。
同社が設置した特別調査委員会は今月下旬に報告書をまとめる方針で、東京地検特捜部も同社から資料の任意提出を受けるなどし、会社法違反(特別背任)容疑で捜査を始めている。
大王製紙は先月、前会長が2010年度以降、連結子会社7社から計約84億円の融資を受け、うち約29億円は今年4月以降に現金などで返済されたと発表した。
関係者によると、調査委員会の調べで、新たに子会社から別の子会社を迂回(うかい)する形で前会長に約22億円が融資されていたことなどが判明した。(2011/10/18-09:11)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201110/2011101800125
大王製紙:井川元会長 借入総額が100億円超の見通し
総合製紙大手の大王製紙の井川意高(もとたか)元会長(47)が子会社から総額80億円超の資金を個人的に借り入れたとして辞任した問題で、元会長の借入総額が100億円を上回る見通しであることが同社関係者の話で分かった。また、借り入れのうち数億円は米国ラスベガスのホテルに開設された元会長の個人口座に直接入金されていたとみられることも判明した。
元会長による巨額借り入れを巡っては、同社が9月に設置した特別調査委員会が今月下旬にも調査報告をまとめる方針。また、東京地検特捜部も会社法違反(特別背任)の疑いもあるとみて、同社側から任意で資料提出を受けるなど捜査に着手した模様だ。
同社関係者によると、井川元会長は子会社7社から10年度に約23億5000万円、今年4~9月に約60億円の計83億5000万円を借り入れた(約30億円は9月までに返済)。特別調査委の調査などで、この借入金とは別に、関連子会社数社から10年度に、約22億円が別の関連会社を迂回(うかい)する形で元会長個人の口座に入金されていたという。
元会長は借入先の子会社7社のいずれも会長を務めており、自身と近い同社社員を子会社の役員として派遣。借り入れる額を具体的に指定し「取締役などの対応はうまくやってくれ」などと電話で指示していた。
子会社からの借り入れは、元会長が今年6月に会長に就任してから急増し、数億円がラスベガスの個人口座に入金されていたという。同社関係者は「カジノに使った可能性も否定できない」と指摘している。
特別調査委が元会長を聴取できたのはわずか1回。元会長は使途について「株やFX(外国為替証拠金取引)で使った」などと話し、カジノについては「個人の資産でやった」などと釈明。特別調査委が証券会社の口座資料などを基に再度説明を求めたところ、元会長はその後聴取に応じなかった。このため同社側は調査報告の提出を受けた上で、刑事告訴を検討している。
毎日新聞 2011年10月18日 2時30分(最終更新 10月18日 11時03分)
前会長 ラスベガス口座に十数億円
10月18日 13時11分
大手製紙会社「大王製紙」の前の会長が、グループ企業から巨額の金を引き出したまま、使いみちが分からなくなっている問題で、このうちの十数億円が、アメリカ・ラスベガスに開設された前会長の個人口座に入金されていたことが、関係者への取材で分かりました。
この問題は、大王製紙の井川意高前会長(47)が、少なくともグループ企業7社から、担保がないまま巨額の資金を個人的に借り入れ、このうちの55億円が返済されないままになっているものです。
関係者によりますと、会社が設けた特別調査委員会が調査を進めた結果、井川前会長がグループ企業から借り入れた金は総額でおよそ110億円に上ることが分かりました。
このうちの十数億円は、ことし7月と8月の2回、アメリカ・ラスベガスに開設された前会長の個人口座に入金されていたということで、特別調査委員会は、井川前会長がカジノなどの個人的な遊興費に使っていた疑いもあるとみています。
特別調査委員会のこれまでの聞き取りに対し、井川前会長は「借りた金は、株や先物取引などに投資した。カジノには自分の資産を使った」と説明しています。この問題で、東京地検特捜部は会社側から経理資料の提出を受けるなど、前会長への巨額の融資について捜査を進めています。