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2011/09/13

施設を保有する仏電力公社によると、爆発は溶解炉内で収まったが、これまでのところ原因は分かっていない

核施設事故、原因究明続く=当局は放射能漏れ否定-仏
【パリ時事】フランス南部ガール県マルクールの放射性廃棄物処理施設で起きた爆発事故で、仏原子力安全局(ASN)や治安当局は12日、事故の詳しい状況や原因究明作業を続けた。仏政府は爆発に伴う放射能漏れは起きていないと主張、周辺環境への影響を否定している。

12日夕に現地入りしたコシウスコモリゼ持続的開発相は、事故で死亡した作業員の家族を見舞った際、爆発が起きた施設内外にある検知器はどれも放射能を検出していないと説明。ASNも「住民保護の必要はない」と判断している。

爆発は原発などで用いた金属部品を処理する炉で起きたとされ、近くにいた作業員1人が死亡、4人が負傷した。負傷者の1人は大やけどを負い集中治療室に運び込まれた。施設関係者は仏紙リベラシオン(電子版)に、炉自体が爆発したわけではないと話しており、詳しい原因は分かっていない。(2011/09/13-07:30)

http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2011091300083






仏の核施設事故、大統領選の争点にも 野党が政府批判
2011/9/13 10:26
フランス南部マルクールの放射性廃棄物処理施設で12日に発生した爆発事故で、仏原子力安全局(ASN)などは13日も詳しい調査を続けた。政府は放射線漏れはないと発表しており、ASNも事故は収束したとの立場だ。一方、野党社会党などは政府の対応を批判、来年の大統領選では原発問題が争点のひとつとなる可能性も出てきた。

コシウスコモリゼ・エコロジー・持続的開発・運輸・住宅相は12日夕(日本時間13日未明)に現地入りし、事故の被害者の家族らを見舞った。同相は記者団に対し「事故を心配する理由は何もない」などと語り、「今回は(原子力事故ではなく)産業事故にすぎない」などと強調した。ASNも住民保護などの措置の必要はないと発表している。

ただ事故の詳細と原因について十分な情報は公表されていない。爆発は放射性廃棄物を処理する溶融炉で起きたとされるが、仏紙リベラシオン(電子版)は関係者の話として、爆発は炉ではなく外部だったと報じるなど情報は錯綜(さくそう)している。

こうした混乱を受けて社会党のロワイヤル氏は「重大事故が発生したら政府は速やかに情報を公開しなければならない」と当局の対応を批判。また欧州エコロジー党は事故後、「いまこそ脱原発にかじを切るべきだ」とする声明を発表した。

福島第1原子力発電所の事故の記憶が新しいなかで発生した事故を、仏メディアは大きく報じている。仏ではこれまで原発問題は政治的な争点にはなっておらず、野党社会党も反原発の立場はとっていない。だが事故を機に仏国民の間では原発に対する不安が高まりつつある。政府が対応を誤れば来年の大統領選に微妙な影響を与える可能性がある。(フランクフルト=古谷茂久)







仏核廃棄物施設の爆発事故、原子力当局は「事態収束」を宣言
2011年 09月 13日 08:57 JST
[マルクール(フランス) 12日 ロイター] フランス南部ガール県マルクールの核廃棄物処理施設で12日に発生した爆発事故で、当局は爆発による放射能漏れは起きていないとし、仏原子力安全局(ASN)も事態は収束したと主張した。
施設を保有する仏電力公社(EDF)によると、爆発は同日午後1時過ぎ、低レベル核廃棄物処理センター(CENTRACO)施設にある核廃棄物を溶かす溶融炉で発生し、1人が死亡、4人が負傷した。

EDFによると、爆発は溶解炉内で収まったが、これまでのところ原因は分かっていない。施設内に原子炉はなく、警察など当局者は、施設外への放射能漏れはないとしている。また、地元の救急隊員によると、負傷した4人からも放射能物質は確認されていない。

EDF幹部は、事故について「典型的な工場災害」とし、国際的な原子力災害の評価尺度で下から2番目のレベル1に当たるとの見方を示した。

また、ASNは事態が収束したと宣言する一方、原因などの調査を開始。国際原子力機関(IAEA)は緊急事態対応センターを設置し、仏原子力当局に情報提供を求めている。

CENTRACOのウェブサイトによると、1999年から稼働する同施設では約350人の従業員が勤務し、核施設で使用されたバルブやポンプを溶解したり、可燃物を焼却したりしているという。

使用電力の75%を原子力発電所に依存するフランスは、東日本大震災に伴う東京電力福島第1原発事故を受け、国内にある原子炉58カ所のストレステストを実施している最中だった。

ASNの2010年の年次報告によると、CENTRACOでは2008年に一部問題カ所が見つかっている。ASNは安全強化に向けた行動計画を進めるよう促し、状況はその後改善したとしている。







仏核施設爆発:仏環境相が現地で安全性強調 原因は示さず
2011年9月13日 11時8分 更新:9月13日 11時51分

【パリ福原直樹】フランス南部マルクールの低レベル核廃棄物処理施設で12日起きた爆発事故で、仏のコシウスコモリゼ環境相は同日、現地を訪問し、「放射性物質の漏出はない」と安全性を強調した。だが仏原子力庁(CEA)など仏当局は事故原因や、作業場からの放射能漏れに関する防止体制などを示しておらず、今後、仏政府は詳しい説明を求められそうだ。

現場を訪れた環境相は、犠牲者家族との面会後、「施設の内外で放射線は検知されておらず、心配ない」と強調。一方で、事故原因については「分からない」と述べた。環境相によると、現在、仏原子力当局や警察が原因を調査中という。

事故は現地時間の12日昼ごろ発生。仏電力最大手・フランス電力公社(EDF)の関連会社が運営する施設で、金属などの核廃棄物を溶融する際、爆発が起きた。死亡した作業員は全身を焼かれ即死状況で、他の作業員1人も「重篤(じゅうとく)状況」(CEA関係者)という。

事故後、仏政府やEDFなどは「被害者には放射能汚染はなく、原子力事故ではなく産業事故だ」「作業現場の放射線レベルは非常に低い」と強調。周辺の土壌などの検査はするが「事故による環境への影響はない」としていた。

だがCEA関係者は事故直後、毎日新聞に「低レベルの放射能漏れの危険性がある」と説明。また12日付フィガロ紙(電子版)によると事故のあった溶融炉は12年前の稼働時から、仏当局が「従業員の保護対策が不十分」と指摘していたという。同紙によると、溶融炉は金属などの核廃棄物を1600度で溶融、廃棄物処理のために体積を縮小するのが目的という。

一方、AFP通信によると、隣国イタリア政府幹部らは事故に関し、「隣国の核施設が事故を起こした際は我々も(被害に)巻き込まれる」と発言。「状況を注視している」と、核施設の脆弱(ぜいじゃく)さに懸念を示した。またグリーンピースなど環境保護団体は「周辺住民に事故状況を即刻、通報すべきだ」と核関連事故での情報の透明性を求めた。