厚生労働省と農林水産省は24日、福島、岩手、栃木の3県産の肉牛について、各県の出荷管理計画に基づいて出荷された牛肉は安全性を確保できるとして、出荷停止の措置を解除する方針を固めた。
政府の原子力災害対策本部が25日にも最終決定する。19日に措置が解除された宮城県では出荷再開しており、これで肉牛の制限はすべて解除される。
福島県も19日に出荷停止が解除される予定だったが、原発周辺地域の浪江町の農場が4月に出荷した牛肉で暫定規制値を上回り、稲わら以外による汚染の可能性が浮上したことで見送られた。その後の調査で、輸入飼料が空気中の放射性物質に汚染された可能性が高いことが判明。県の計画では、計画的避難区域と緊急時避難準備区域の牛は全頭検査の対象となり、両省は計画に基づけば、汚染牛の流通は防止できると判断した。
両区域以外の地域では、宮城県と同様に、汚染牛を出荷したり、汚染稲わらを与えたりした農家の牛は全頭検査、それ以外は少なくとも1頭の検査を実施する計画。岩手、栃木両県の計画も宮城県と同様。両省は、これらの計画に基づき出荷された牛については、安全性を確保できると判断した。
(2011年8月25日03時04分 読売新聞)
3県の肉牛 出荷停止解除へ
8月25日 4時1分
牛肉から国の暫定基準値を超える放射性セシウムが検出された問題を受けて、出荷ができなくなっていた、福島県と岩手県、それに栃木県の牛について、政府は、安全管理の態勢が整ったとして、25日にも3つの県の出荷停止を解除する方針です。
牛肉の出荷を巡っては、高い濃度の放射性セシウムを含む稲わらを与えられた牛の肉から、国の暫定基準値を超える放射性セシウムが各地で検出され、政府は先月19日以降、福島県と宮城県、それに岩手県、栃木県の4つの県に対し、牛を出荷しないよう指示しました。
このうち宮城県は、餌の管理など安全管理の態勢が整ったとして、今月19日に出荷停止が解除されました。そして、福島県と岩手県、それに栃木県についても、安全管理の態勢が整ったとして、政府は25日にも出荷停止を解除する方針を固めました。これによって出荷停止の地域はなくなり、全国の牛肉が流通することになります。
出荷が再開されたあとも、国の基準を超える放射性セシウムが検出された農家や、福島県の計画的避難区域と緊急時避難準備区域の農家では、出荷するすべての牛肉を対象に、それ以外の地域の農家では最初に出荷する牛肉を、それぞれ検査するということです。