福島原発事故を受け、政府が食品の放射性物質検査を求めた東北、関東などの14都県のうち、約100市町村を産地とする農産物は、7月末時点で一度も検査が実施されていないことが23日、厚生労働省への取材で分かった。同省は検査実績の少ない市町村産の食品を中心に、“抜き打ち検査”を実施する方針を決めた。
厚労省幹部は「得られるデータは消費者にとって大きな指標。産地間で検査に濃淡があってはいけない」としている。
14都県には600余りの市町村がある。地元産農産物が一度も検査されていない市町村が約100カ所ある一方、検査が10件以上実施されている市町村も約2割あった。
2011/08/24 02:02 【共同通信】
食品の放射線、国が抜き打ち検査 6都県対象
2011年8月24日10時23分
東京電力福島第一原発事故による食品の放射性物質の検査を巡り、厚生労働省は24日、検査実績の少ない自治体の食品をスーパーなどで買い上げて調べる「抜き打ち検査」を始めたことを明らかにした。厚労省幹部は「不足しているデータを補完することで、消費者に安心感を与えたい」と話している。
食品の検査は、これまでに全国で約1万4200件実施されている。しかし、都道府県によって検査体制が異なり、品目や頻度にばらつきがある。
このため厚労省は、検査頻度の少ない岩手、山形、宮城、埼玉、東京、神奈川の1都5県で生産された食品を流通段階で購入して調べることにした。過去に国の基準を超えた茶葉やキノコ類、果実、牛肉のほか、コメや卵など食べる量の多い食品を対象にする。