8月11日 5時10分
東京電力・福島第一原子力発電所の事故で、インターネット上で公開されていた福島県の子どもの甲状腺検査の結果について、個人を特定できる可能性があるとして、国の原子力安全委員会が、すべて削除していたことが分かりました。専門家は、「正確な情報提供に逆行する」と指摘しています。
福島第一原発の事故で、国の対策本部は、3月に福島県いわき市などに住む15歳以下の千人余りを対象に、放射性物質が甲状腺に蓄積していないか検査を行い、原子力安全委員会がインターネット上で結果を公開してきました。
この中には、いわき市の4歳の子どもが健康への影響は無いとされる、甲状腺に受けた放射線量にして35ミリシーベルトの被ばくをした、とする記述もありました。
ところが、詳しい住所が含まれていたことから、原子力安全委員会は、「個人を特定できる可能性がある」として、今月初め、記述をすべて削除しました。
しかし、子どもの甲状腺の検査結果は、ほかには一切公表されていないうえ、個人の特定とは関係のない、被ばく線量などの情報まで削除されたことから批判の声があがっています。
災害時の情報伝達に詳しい東京女子大学の広瀬弘忠名誉教授は、「子どもの被ばくに過敏に反応されることを恐れて削除したと言われてもしかたがない。正確な情報提供で対応できるようにしてもらわなければならないのに、逆行するあり方だ」と指摘しています。
原子力安全委員会において3月11日以降に行った助言の活動について
「小児甲状腺の測定結果についてQ&A」の掲載の削除について
3月29日の「小児甲状腺の測定結果についてQ&A」については、特定の受検者に係る測定結果、及び個人を特定できる可能性がある情報が記載されておりましたので、8月1日に掲載を取りやめました。 関係の方々にご迷惑をおかけしたことについて、お詫び申し上げます。
Blog管理人注
※「個人を特定できる可能性がある情報」と思われる箇所はマスキングしました。
7月5日
45%の子供が微量被曝 いわき市・川俣町・飯館村、甲状腺調査