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2011/07/25

中国鉄道省、上海鉄道局の局長、副局長、および共産党委員会書記を更迭

中国、高速鉄道事故受け当局者3人を更迭
2011年 07月 25日 11:18
[温州(中国浙江省) 24日 ロイター] 中国は24日、前日に当地で発生した高速鉄道衝突事故を受け、鉄道当局者3人を更迭した。事故では、少なくとも35人が死亡している。

 鉄道省はウェブサイト(www.china-mor.gov.cn)で声明を発表し、上海鉄道局の局長、副局長、および共産党委員会書記を更迭したと述べた。

 声明は3人が「捜査対象となる」としている。

 鉄道省スポークスマンは当地で行った記者会見で、「(3人は)指導者として、事故の主因について最終責任を取る必要がある」と述べるとともに、「多くの人は、この事故は高速鉄道の安全不備によると考えるだろうが、中国の高速鉄道技術は最新のものであり、基準を満たしていると言明する。またわれわれは(その技術を)信頼している」と語った。





中国列車事故 鉄道局トップ解任へ
7月25日 6時46分
中国東部で高速鉄道の列車が追突、転落した事故で、中国政府は事故のあった区間を管轄する上海鉄道局のトップの解任を決めるとともに、温家宝首相が事故の原因を徹底的に究明する姿勢を示しました。

この事故は、中国東部の浙江省温州で日本時間の23日夜、停車していた高速鉄道の列車に後続の列車が追突し、追突したほうの4両の車両が高架橋からおよそ15メートル下に転落したものです。

中国の鉄道省によりますと、両方の列車に合わせて1600人余りが乗っていたということですが、このうち35人の死亡がこれまでに確認されました。また、けが人の数について、国営新華社通信は210人としてきましたが、25日未明になって、鉄道省の報道官の話として192人と伝えました。

この事故で鉄道省は24日、事故のあった区間を管轄する上海鉄道局のトップの局長や幹部あわせて3人の解任を決め、全国の鉄道局に線路と列車設備の緊急点検などを命じました。

事故の原因としては、列車の衝突を未然に防ぐ自動制御システムが何らかの理由で正常に作動しなかったことが可能性の1つとして指摘され、鉄道省の報道官は「落雷で設備が故障し、これが今回の事故につながった」と述べています。

これについて温家宝首相は24日、北京で日本国際貿易促進協会の河野洋平会長らと会談した際、「落雷で動力が止まってしまったという説もあるが、さらに深く調べる必要がある」と述べ、事故の原因を徹底的に究明する姿勢を示しました。今回の事故で、上海の日本総領事館は「これまでのところ、死者に日本人は含まれていない。ただ、身元が分からない犠牲者がまだいるため、引き続き確認している」と話しています。





上海鉄道局幹部3人を解任-中国、高速列車追突事故で
2011年 7月 25日 7:55 JST
 【北京】中国政府当局は24日、浙江省温州市で前日夜発生した高速鉄道の列車衝突事故について調査を開始するとともに、鉄道当局者3人を解任した。事故を受けて中国の誇る高速鉄道システムについて安全面での懸念が高まっている。 

 事故は停車していた列車に後続の列車が追突したもので、後続列車の4両が脱線して陸橋から転落。少なくとも43人が死亡、200人以上が負傷した。鉄道省は24日、落雷の結果、先行の列車が動力を失ったとみられるが、原因はなお調査中だとしている。

 同省は同日夜、中国東部の大半を管理している上海鉄道局の局長、副局長、共産党書記を解任したと発表した。具体的な解任の理由は明らかでないが、事故について聴取されるとしている。

 事故に関する政府当局の当初の説明では、依然として幾つかの重要な問題が不透明なままだ。例えば先行の列車が故障したにもかかわらず、なぜ後続の列車が進行を許されたのかといった問題だ。最近の鉄道システムでは、こうした事故を予防するため、安全措置が作用するのが通例だ。

 中国の高速鉄道システムは最近、故障など一連の問題が相次いでいた。中国は推定3000億ドル(約23.5兆円)近くを投入して世界最大の高速鉄道網を構築。さらに2020年までに1万6000キロの鉄道を整備する計画だ。政府はこの事業を中国の急速な技術発展のシンボルと位置づけ、鉄道省は最近、中国の鉄道技術は有名な日本の新幹線よりも優れていると述べていた。温家宝首相は、中国共産党の創立90周年を前に、先月末に挙行された北京・上海間の高速鉄道開通の開所式に出席していた。

 中国では、高速鉄道プロジェクトは都市間の移動時間を短縮すると支持する向きが多いが、無駄で費用が掛かりすぎるとの批判も根強く、料金が高価で一般市民は利用できないと不満を示していた。

 今年2月には、高速鉄道を推進していた劉志軍鉄道相が汚職捜査の対象になって解任された。後任の盛光祖鉄道相は拡張計画を縮小し、既存の事業に集中する方針を発表。料金を引き下げ、安全を重視して最高速度を当初の時速350キロ以上から300キロに制限すると発表していた。

 しかし今月には、開通したばかりの北京・上海間の高速鉄道の故障が相次ぎ、少なくとも3回停止している。

 中国の高速鉄道用列車技術はその大半が過去10年間、川崎重工業、独シーメンス、仏アルストムなど外国車両メーカーから導入したものだ。

 しかし中国政府は、同国国営車両メーカーがこの技術を革新し、列車の速度をより高速にしたと述べていた。これに対して一部の鉄道専門家は事故が発生しやすくなり危険だと警告していた。こうした技術面での問題が今回の事故の一因になったかについては明らかでない。

記者: Jason Dean and Norihiko Shirouzu