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2011/07/25

中国高速鉄道、25日朝、事故があった区間で列車の運転が再開

中国高速鉄道 早くも運転再開
7月25日 12時16分
中国東部で高速鉄道の列車が追突、転落した事故から1日半後の25日朝、事故があった区間で列車の運転が再開されました。事故原因が特定されないなかでの早期の運転再開に、利用者からは不安の声も上がっています。


事故は、中国東部の浙江省温州で日本時間の23日夜、停車していた高速鉄道の列車に後続の列車が追突し、追突したほうの4両の車両が、高架橋からおよそ15メートル下に転落したもので、中国の鉄道省によりますと、これまでに35人が死亡し、192人がけがをしました。

事故から1日半後の25日朝、事故があった区間で列車の運転が再開され、日本時間の午前11時ごろ、福建省の福州発上海行きの16両編成の列車が、比較的ゆっくりした速度で現場を通過するのを、NHKのスタッフが確認しました。

また事故を起こした一方の列車の「D301」も、日本時間の午前9時前、北京南駅をダイヤどおりに発車し、25日夜、現場を通過するものとみられます。

事故原因が特定されないなかでの早期の運転再開に、利用者からは「運行管理に問題があると思うが、ほかの選択肢がないので乗らざるをえない」「スピードが速すぎてとても心配です」などと不安の声も上がっています。

一方、事故を起こした車両の一部が、現場の高架下の地中に埋められていたことがわかりました。これについては市民や報道陣の間で「事故原因を隠蔽するためではないか」という見方が出ていますが、鉄道省の王勇平報道官は24日深夜の記者会見で、「世界中が注目をしている事故で隠そうとしても隠せるわけがない。現場の高架下は泥沼になっていて、車両の撤去や救助活動が難航していたので、作業をスムーズに行うために車両を埋めて、その上に土を敷いた」と釈明しました。










中国高速鉄道、事故区間で運転再開 切符は当日分のみ
2011/7/25 10:59
 【温州(浙江省)=戸田敬久】中国浙江省温州市で35人が死亡した高速鉄道の追突・脱線事故で不通になっていた温州南駅と隣接する永嘉駅間の運行が25日朝から再開した。温州南駅関係者は「午前9時半(日本時間午前10時半)に最初の高速鉄道が通過した」と話した。事故原因などの追及をなおざりにしたまま運転再開を強行したことへの疑問の声も上がりそうだ。

 同駅関係者によると、再開列車は北京方面に向かったという。ただ、明日以降の状況については不透明として、切符販売は当日分だけにとどめているという。

 中国鉄道省の王勇平報道官は24日深夜の会見で、同日夜7時の時点で「開通条件は整った」と説明。ただ同夜は雷雨に見舞われるなど悪天候だったため、「安全を考慮して運転再開しなかった」という。

 王報道官は「中国の高速鉄道は運行を始めてからの日が浅く、多くの問題に直面している」と語り、安全対策を強化する方針を示した。一方で、「中国の高速鉄道技術は先進的で、なお自信を持っている」と、200人以上の死傷者を出しながらもなお強気の構えを崩さなかった。

 鉄道省は同日夜の時点で死者は35人、負傷者は192人と発表。そのうち5人が外国人で、米国籍中国人とロシア人の2人が死亡した。ただ中国国営新華社は「さらに8人の遺体が見つかった」と24日夜、報じている。

 23日の衝突事故では浙江省杭州から福建省福州に向かう「D3115」が落雷で緊急停車していたところに、北京発福州行きの「D301」が追突、4両が高架橋から落下した。鉄道省によれば、D3115には1072人、D301に558人が乗車していた。