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2011/06/02

O-104感染拡大 死者16人、感染者1500人以上重傷者300人超。 特にハンブルクやシュレスウィヒ・ホルシュタイン州などドイツ北部で患者が多い。

欧州O104感染拡大…スペイン野菜に風評被害






 【ベルリン=三好範英】ドイツで発生した腸管出血性大腸菌O104の感染が近隣諸国にも拡大し、5月31日現在で死者は16人となった。

 感染源として疑われたスペイン産の大量の野菜が、各地の市場から締め出される深刻な風評被害も起きている。

 O104に感染し溶血性尿毒症症候群(HUS)を発症して死亡した人はドイツで15人、スウェーデンで1人。感染者は1500人以上で、重症者は300人を超えた。特にハンブルクやシュレスウィヒ・ホルシュタイン州などドイツ北部で患者が多い。

 またスウェーデンやデンマーク、オランダ、フランスなどでも感染が広がる。欧州連合(EU)によると、これらの国の患者は旅行などで最近、ドイツに滞在していた。専門家は「感染は今後も拡大する」と述べ、警戒を呼び掛けている。

 こうした中、感染源の特定は混迷を極めている。ハンブルク市の保健当局は26日、市場に入荷したスペイン産キュウリから「病原菌が検出された」と発表した。

 ドイツ紙によると、発表後、チェコやオーストリアではスペイン産キュウリを市場から撤去する動きが広がった。ロシアはドイツとスペインからの野菜輸入を禁止した。

 しかし31日になり保健当局は「キュウリの菌は患者から検出した菌と一致しない。感染源は特定されていない」と発表を撤回した。

(2011年6月2日09時24分 読売新聞)










【NewsBrief】欧州で大腸菌被害が急拡大
2011年 6月 1日 17:03 JST
 【フランクフルト】ドイツを中心に欧州で腸管出血性大腸菌「O-104」の感染が拡大している。5月31日、スウェーデン人を含む新たに2人の死亡例が確認され、ドイツ国外で初の死者となった。これで死亡者は計16人に達し、重篤患者は約400人に上る。

 ドイツで初めてO-104の拡大が報告されたのは5月22日。同様の感染例はスウェーデンや英国、デンマーク、フランス、スイス、オランダなどでも報告されている。感染源はいまだ不明。ドイツ・ハンブルク市衛生当局は先週、スペイン産のキュウリで大腸菌の痕跡が検出されたとしていたが、31日、検出された菌はO-104とは一致しなかったことを明らかにした。

 O-104は治療抵抗性が極めて高いことが判明している。被害者の年齢層は若者からお年寄りまで幅広いが、大半は女性。またすべてのケースにおいて現在までのところドイツ北部との関連性が認められる。31日に死亡が確認されたスウェーデン人女性も最近ドイツ北部を旅行していた。伝染病研究で知られるドイツ国立ロベルト・コッホ研究所によると、さらに800人に軽い感染症状がみられる。

 ドイツ当局はデンマークとオランダから輸入されたキュウリも感染源候補として特定している。




O104の死者17人に=血液不足、深刻化も-ドイツ
 【ベルリン時事】欧州各地で腸管出血性大腸菌O(オー)104の感染が深刻化している問題で、ドイツ保健当局は1日、死者が16人に達したことを明らかにした。スウェーデンでもドイツから帰国した女性1人が死亡した。

 ロベルト・コッホ研究所によると、大腸菌が引き起こす溶血性尿毒症症候群の発症者は前日の373人から470人に急増。重症者には大量の血漿(けっしょう)輸血が必要で、血液不足への懸念が強まっている。多数の感染者が出ているハンブルク市のショルツ市長は献血を呼び掛け、自らも献血した。(2011/06/02-06:03)
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2011060200081