不信任案をめぐり1日夜、民主党内は激しく動きました。
小沢元代表らは1日夜、こちらのホテルで、いわば「決起集会」と言える会合を開きました。自らのグループに属する国会議員70人あまりが集まりました。
(Q.不信任案の可決の公算について?)
「最後のご奉公の覚悟でやろうということで、その戦列に参加しておりますので、私は十分、我々の意思が国会に通るものと思っている」(民主党 小沢一郎元代表 午後10時ごろ)
小沢氏はこのように不信任案の可決に自信のほどをうかがわせました。
不信任案の行方ですが、仮に小沢氏の会合に集まった議員すべてが不信任案に賛成票を投じた場合、欠席の数によりますが、80人程度とされる、可決に必要な与党側からの造反数に限りなく肉薄し、菅総理にとっては驚異的な数字と言えます。
また、「小沢氏と行動をともにする」として、同じく不信任案に賛成する意思を固めた鳩山前総理のグループも1日夜、都内で会合を開き、鳩山氏は正式に不信任案に賛成することを表明しました。鳩山グループ内では不信任案に反対する議員も多くいますが、鳩山氏が「菅総理打倒」に舵を切ったことで、グループ内の一定数の議員は鳩山氏と行動をともにするものと思われます。
一方、迎え撃つ側の菅総理ら執行部側の対応ですが、1日夜も安住国対委員長ら幹部が集まり、票読みや、不信任に同調しそうな議員らの切り崩しなどに躍起になっています。しかし、菅グループの幹部の1人は、情勢は極めて厳しいと述べています。
こうした両陣営の多数派工作は、2日の本会議直前まで続くものとみられており、政権交代からわずか2年足らずで民主党は党分裂の可能性という大きな危機に見舞われています。
(01日23:03)
「小沢・鳩山」造反宣言 菅総理「可決なら解散」(06/02 05:52)
衆議院は2日、菅内閣に対する不信任決議案を採決します。民主党では、小沢元代表と鳩山前総理大臣が造反を宣言したことで、菅政権への打撃は避けられない情勢です。
小沢元代表:「総理が明確な決断を自らの責任を持ってやるという形は一向に見えてこない。私は十分、我々の意思が国会において通るものと、そう思っています」
鳩山前総理大臣:「(Q.決意は固まりましたか)決まっています」「(Q.賛成ですか)出た場合は賛成します」
1日夜の小沢元代表に近い議員らの会合には71人が集まり、不信任案の可決に向けて気勢を上げました。今のところ、50人前後の議員が賛成し、採決に欠席する議員も出る見通しです。
また、鳩山前総理が賛成を明言したことで、グループ内からも欠席を含めた造反議員が出るのは確実で、不信任案可決に必要な民主党議員79人分の賛成票に近づきつつあります。
一方、関係者によりますと、菅総理大臣は不信任案が可決した場合、総辞職はせずに解散・総選挙に打って出る方針を固めました。そのうえで、造反議員に公認は与えず、その選挙区には「刺客」候補を立てるということです。菅執行部としては、解散・総選挙を明言することで、「反菅グループ」にくさびを打ち込みたい考えです。
岡田幹事長:「日本全体が一つになろうという時に、永田町だけが何か足の引っ張り合いをしているという姿、本当に国民に対して申し訳ない」
ただ、造反議員が数十人規模に上る見通しのなかで、仮に不信任案が否決された場合でも、事実上、民主党が分裂することは避けられず、菅総理の政権運営はさらに困難な情勢になります。