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2011/04/03

放射性セシウムは主に筋肉に、放射性ストロンチウムは骨に蓄積して放射線を出し続ける。ストロンチウムは検出が難しいが、セシウムと共に出ることが多く、セシウムが規制値以下なら問題ないとみられる

[放射線 健康にどんな影響]「水」「食品」規制値、国際基準と整合

 放射線を発する物質を放射性物質という。福島、茨城県などのホウレンソウや原乳などから、厚生労働省が定めた暫定規制値を上回る放射性物質の放射性ヨウ素が検出され、出荷停止措置がとられている。

 放射性ヨウ素の暫定規制値は、葉物の野菜で1キロ・グラムあたり2000ベクレル、牛乳や飲料水で300ベクレル。ただし、乳児の飲料水や粉ミルクには100ベクレルと、さらに厳しい制限がついた。

 首都圏の浄水場でも一時、100ベクレルを上回る値が出た。自治体が乳児向けにペットボトルの水を手配するなど混乱が広がった。

 この規制値は、原子力安全委員会が13年前に作った指標などを基に作られた。指標の策定メンバーだった須賀新一さん(元日本原子力研究所)は「国際的な基準とも整合する値で、現在でも妥当な値だと思う」と話す。


 放射性ヨウ素は8日で半分に減る。時間と共に、野菜などについた分も減っていくので、国は出荷停止の解除を検討中だ。

 水道水の放射性物質の値は雨の後に上がりやすい。規制値を下回る時に清潔な容器に入れ、冷蔵庫などで保存しておくと良い。

 乳児の水分不足は健康に重大な影響をもたらす。日本小児科学会などは、代わりの飲料水が確保できない時は水分摂取を優先させるよう呼びかけている。



 ◆放射性物質 原子炉や使用済み核燃料の中には、様々な放射性物質が含まれている。体内に取り込まれて問題になるのが、放射性のヨウ素、セシウム、ストロンチウム、プルトニウムなどだ。

 放射性ヨウ素は甲状腺にたまりやすく、多いと甲状腺がんの危険が高まる。

 放射性セシウムは主に筋肉に、放射性ストロンチウムは骨に蓄積して放射線を出し続ける。ストロンチウムは検出が難しいが、セシウムと共に出ることが多く、セシウムが規制値以下なら問題ないとみられる。

 プルトニウムは、体内に長くとどまり、破壊力が強いアルファ線を出すため、人体への影響が大きい。特に肺に入ると肺がんになる確率が増す。

(2011年4月3日 読売新聞)