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2011/04/26

細野氏は「今後、情報はすべて私が確認する。透明性が確保されないということなら質問をしてほしい」と述べた

東電と保安院、初の共同会見…文科省も出席
 東京電力福島第一原子力発電所の事故について、これまで個別に記者会見を開いていた東電と経産省原子力安全・保安院が25日夕、東電本店で初めて共同の記者会見を開いた。

 会見は、政府と東電が設置した「福島原子力発電所事故対策統合本部」の会見と位置づけ、本部事務局長の細野豪志・首相補佐官や東電、保安院や文部科学省の担当者らが出席した。

 細野補佐官は冒頭、共同会見の目的は、情報の正確性と透明性の確保とした上で、「原則として、すべての情報を発信したい。私を信じて欲しい」と呼びかけた。

 また、「事故の対応で前向きな動きがあれば積極的に情報発信していきたい」と述べた。

(2011年4月25日18時06分 読売新聞)






東日本大震災:原発、初の共同会見 東電・保安院・安全委、深まらぬ議論4時間
 ◇情報量と質、低下懸念
 福島原子力発電所事故対策統合本部(本部長=菅直人首相)は25日、東京電力や経済産業省原子力安全・保安院、内閣府原子力安全委員会などが個別に開いてきた会見を一本化し、初の共同会見を開いた。事務局長の細野豪志首相補佐官は「原則としてすべての情報を公開する。私を信じてほしい」と訴えたが、会見に集まった約250人からは、原発を推進する東電と規制官庁が同席する会見を疑問視する質問のほか、原子力安全委から専門家委員が出席しないことなど、情報量と質の低下を心配する声が上がった。【足立旬子、江口一、西川拓、臺宏士】

 会見は、本部のある東電本店(東京都千代田区)で開かれ、細野氏、文部科学省、原子力安全委、東電、保安院の各担当者が順に説明。記者の質問は、政府の対応や共同会見への批判、原子炉の現状など多岐にわたり、質疑は深まらないまま、会見は4時間近くに及んだ。

 事故後、保安院と東電は、原則として毎日2回、それぞれ会見してきた。原子力安全委も毎日1回、原子炉工学や放射線防護の専門家委員が会見していた。一方、発表内容が異なるなど、「分かりにくい」との批判が出ていた。細野氏は「東電と規制官庁が同席する会見は、事業者、監督官庁の立場を守りながら、テーマごとに一元化した情報を発信し、正確性を期したい。徹底した透明性を確保する」と説明した。26日以降、関係機関が午後に開いていた会見は共同会見に一本化され、安全委単独の毎日の会見はなくなる。

 また、安全委から共同会見に出席したのは、官僚出身の広瀬研吉・内閣府参与(原子力安全委員会担当)だった。班目(まだらめ)春樹委員長は25日午後の定例会後、今後は週2回の定例会後に自身が会見すると話し、「原子力安全委員は何でも相談室ではない。(共同会見とは)場を分けてお答えする」と答えた。

 この日配布されたデータは各機関が出してきたものと変わらず、「共同会見になり、正確性や透明性が上がったとは思えない」と指摘する記者に対し、細野氏は「今後、情報はすべて私が確認する。透明性が確保されないということなら質問をしてほしい」と述べた。

毎日新聞 2011年4月26日 東京朝刊