4月16日 4時36分
東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けてエネルギー政策の見直しを進めているドイツのメルケル首相は15日、「原発をできるだけ早く廃止したい」と述べて、原発の稼働期間の延長を柱とした、みずからのエネルギー政策を改める意向を示しました。
ドイツのメルケル首相は、去年秋、国内にある原発17基の運転を平均で12年間延長する方針を決めましたが、福島第一原発の事故を受けて、この決定を3か月間凍結し、原発を含めたエネルギー政策の見直しを行っています。
15日には、16すべての州の首相や関係閣僚を集めて、エネルギー政策について協議を行いました。
このあとメルケル首相は記者会見し、「われわれはできるだけ早く原発を廃止して再生可能エネルギーに移行したい」と述べ、原発の稼働延長を柱としたみずからの政策を転換する意向を示しました。
そのうえで、風力や太陽光などの再生可能エネルギーの普及に向けた議論を加速させる方針を示しました。
ドイツでは9年前、前の政権のもと、原発の運転を2022年ごろまでに、すべて停止するとした「脱原発法」が制定されたのに対し、メルケル政権は、代替エネルギーの普及が追いついていないなどとして原発の稼働延長に大きくかじを切ったばかりでした。
【放射能漏れ】ドイツ政府、6月に「脱原発」へ政策転換
2011.4.16 10:33
ドイツのメルケル首相は15日、野党も含む国内16州(特別市含む)の州首相とエネルギー政策の見直しについて会談。福島第1原発の事故を受けて、早期に脱原発へ政策転換を図る方針を説明した。
会談後の記者会見で、メルケル首相は新政策について、6月上旬に閣議決定し、同月中旬までに連邦議会(下院)と連邦参議院(上院)で関連法の改正を目指すことを表明。同時に、風力など再生可能エネルギーへの転換を促進することを強調した。
ドイツ政府は3月中旬、国内原発計17基のうち、旧式の7基など計8基の一時停止を発表。昨秋決めた、既存原発の稼働期間を延長する計画を急転換する方向だが、与党内での調整が残されている。このためメルケル首相は、脱原発の具体的な時期や、政策転換に必要な巨額の財源などは明らかにしなかった。(共同)