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2011/04/16

対策本部はこれから毎週、調査を実施。衛生状態などが悪く、改善が必要な場合は県や市町村に支援強化を要請する。

5%の避難所が1度も入浴できず 政府調査、下着不足も半数
 政府の被災者生活支援特別対策本部は15日、東日本大震災で岩手、宮城、福島各県に設けられた全1047避難所に対する第1回生活環境調査の結果を公表した。回答があった323避難所のうち、5%に当たる16カ所は震災から入浴の機会が一度もなく、47%に当たる151カ所は替えの下着がなかったり洗濯ができない状態だった。


 対策本部は調査に答えた避難所の11%に当たる36カ所は、生活環境が総合的に「著しく厳しい」または「厳しい」とみている。

 第1回調査は今月6~10日に実施、県や市町村を通じ、避難所のまとめ役や市町村職員が回答した。69%の避難所からは回答が得られていないが、対策本部はこれから毎週、調査を実施。衛生状態などが悪く、改善が必要な場合は県や市町村に支援強化を要請する。

 調査によると、入浴は「週に1回程度」が33%に当たる106カ所。間仕切りなどが皆無でプライバシーが保てない避難所は28%に当たる91カ所だった。また食事でおにぎりやパンなどが続き、温かい食事がない避難所が7カ所、水道、電気、ガスがまったく利用できないところも4カ所あった。

 回収率は岩手県が23%、宮城県が38%、福島県が32%だった。

2011/04/15 21:08 【共同通信】



避難所生活 依然厳しい状況に
4月16日 4時36分
東北の被災地にある避難所での生活について、政府がアンケート調査した結果、衛生面やプライバシー確保の問題などで依然として多くの避難所が厳しい状況にあることが分かりました。

政府は、今月6日から10日にかけて、岩手と宮城、福島の3つの県に設置された1047のすべての避難所の責任者を対象に、初めてのアンケート調査を行い、31%にあたる323か所から回答を得ました。それによりますと、まず、

▽食事については、「毎日、主食のほかに、おかずや温かい物が食べられる」と答えた避難所が60%あった一方で、残る40%は「おかずや温かい物が時々しかない」などと答え、栄養に偏りがある状況をうかがわせています。また、

▽下着は、替えがなかったり、洗濯ができなかったりして不足している避難所が47%、

▽入浴が週に1回程度という避難所が33%、先月の地震以来、入浴できていないという避難所も5%と、依然として衛生面に問題があることが分かりました。さらに、

▽避難所の中に間仕切りなどが全くないところが28%と、プライバシー確保の面でも問題が残っています。

この結果について、政府の被災者生活支援特別対策本部は「全体的な状況から半数近い避難所が厳しい状況にある」としていますが、アンケートの回収は被災した地域の自治体を通じて行っていて回収率が低く、実際には、さらに厳しい状況にある避難所が多いとみられています。政府は当面、週1回のペースで調査を続け、避難所の改善などに役立てたいとしています。