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2011/04/14

復興のための負担は国民全体で負担することを視界に入れなくてはいけない

五百旗頭議長の会見要旨=復興構想会議
 政府の復興構想会議の五百旗頭真議長が14日行った記者会見の要旨は次の通り。

 6月末ごろをめどに第1次提言を提出したい。広く党派を超えた意見をいただき、社会の英知を集めたい。早い機会に各政党の復興プランも伺いたい。


 -福島第1原発はどう取り扱うか。

 原発問題の対処は任務ではない。しかし、東日本大震災は、地震、津波、原発の重層的な複合災害だ。ある委員が「福島の大地がよみがえる日まで、この会議は終わるべきではない」と言った。その精神は多くの委員に共有された。


 -震災復興税を第1次提言に盛り込むか。

 これから議論を詰める。復興のための負担は、義援金と公債だけで済むかどうか分からないが、神戸(阪神・淡路大震災)の比ではない。国民全体で負担することを視界に入れなくてはいけないが、具体的にはこれからだ。


 -「東北モデル」をどう描くか。

 がれきが片付くと「昔の私の土地だ」というので、大急ぎでまた家を建てて、次の津波でまたかっさらわれる。そういうことはどなたも望んでいない。高台に住みたい方は移っていただき、どうしても(海に近い)下の方に住むというのであれば、津波に負けない、5階建て以上の堅固な鉄筋コンクリートのマンションに住んでいただく。

 がれきの処理に困っているが、がれきを使い「希望の丘公園」というようなものを造ってはどうか。日ごろは市民の憩いの丘であり、津波の時にはいち早く上がれる(逃げられる)丘だ。

 そういう安全、安心の水準をしっかりつくれば、東北がモデルとして全国、全世界でこういう災害はこうするんだということを示すことになる。

 原発問題を超えなければいけないという意見が多かった。クリーンエネルギー時代のモデルを先行的にどう植え付けるか。高齢者福祉の問題など、大きな日本の将来像に向かい、東北の強みを生かして復興するという議論があった。


 -復興の時間も費用も非常に莫大(ばくだい)だ。息の長い仕組みが必要では。

 非常に大事な点だ。(現在は義援金が集まっているが)しばらくしたら、「そんな負担大変だよね」と気分が変わって、サポートされないということはあってはならない。ある種の(負担の)制度化が必要になってくる。


 -会議が多く、責任の所在が分かりにくいとの指摘があるが。

 (各党が)お互いに、野党になったら(与党の)足を引っ張るのはいい加減にして、政権党はできる限りのことをやる。与野党一緒になって国民のためになすべきはなす。こういう国難の状況だとその必要性は鮮明に分かる。政府、行政機構を挙げて、縦割りを超えて協力する必要性は、普段とは比べものにならないほど強まっている。

(2011/04/14-21:33)

http://www.jiji.com/jc/zc?k=201104/2011041400902