4月22日 17時13分
アメリカの原子力規制委員会が、東京電力福島第一原子力発電所の事故の現状を独自に分析した内容が明らかになり、「落ち着いてはいるが、ぜい弱だ」として、冷却のために原子炉に水を入れる複数のシステムを機能させるとともに、注水システムを自動化することが必要だとしています。
これは、日本に専門家を送るなどして事故への対応を支援してきた、アメリカの原子力規制委員会が、エネルギー省などと共にまとめた分析によるものです。
この中では、福島第一原発の現状について「落ち着いてはいるが、ぜい弱な状態だ」としています。そのうえで、原子炉の冷却のための注水について、余震が起きた際のリスクを抱えているとして、複数の注水システムを機能させるとともに、注水を自動で行うシステムが必要だと提言しています。
一方で、福島第一原発の燃料の損傷について、15日時点の分析で、▽1号機は67%、▽2号機は44%、▽3号機は30%と推定しています。これは、▽1号機は70%、▽2号機は30%、▽3号機は25%とする東京電力の評価と比べると、2号機と3号機については損傷が大きいことになりますが、今回の分析は、全体的な評価では日米間に差は見られないとしています。
原子力規制委員会は、こうした分析などを踏まえて、28日に行われる公聴会で、福島第一原発に関する最新の状況について報告することにしています。