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2011/04/06

年間被ばく限度量の見直しについて枝野長官、「累積された放射線量についてどのあたりの線のところで安全性が確保されるのか検討」

年間被ばく限度、引き上げ検討=原発事故の長期化想定-官房長官
 枝野幸男官房長官は6日午前の記者会見で、福島第1原発の放射能漏れ事故を受け、年間1ミリシーベルトとしている住民の被ばく限度量について「現在の基準値は短期間で大量の放射線を受ける場合の安全性を示している。放射性物質を長期間受けるリスクを管理し、別の次元の安全性を確保する上でどのくらいが退避の基準になるか検討している状況だ」と述べ、引き上げを検討していることを明らかにした。


 福島第1原発周辺で検出される放射線量は減少傾向にあるものの、事故の収束までなお時間がかかり、放射線の放出が長期間続くことを想定した対応。屋内退避指示が出ている第1原発から20~30キロ圏の外側でも、大気中の放射線量の積算値が10ミリシーベルトを超えた地域がある。このため、原発事故の長期化を前提に、健康に影響が及ばない範囲で被ばく限度の基準を緩める必要があると判断した。(2011/04/06-13:16)

http://www.jiji.com/jc/c?g=soc&k=2011040600381




枝野長官会見(1)汚染水放出「記者会見直前に報告あった」(6日午後4時40分)
2011.4.6 20:11
【年間被曝限度量の見直し】
 --午前中にも質問した年間被曝(ひばく)限度量の引き上げだが、別次元の安全性を確保すると。説明がよく分からないが


 「若干、午前中の答えは問いとうまくかみ合っていなかったかもしれないが、引き上げというよりも、今、50ミリシーベルトからは避難をしていただいている。10ミリシーベルト以上になりそうなところは屋内待避をしていただいている。これが緊急時の、突然大量の放射性物質が出る恐れがあるときの回避の基準として。そういう意味では50ミリシーベルト以上になりそうなところは、そこから避難をしてくださいというのが基準だ」

 「今、20ミリという話が出ているのはむしろ、一時的に大量の放射性物質が出るということについては50を基準にやっているが、しかし、その当該地域に長期にいることによる、蓄積された、累積された放射線量についてどのあたりの線のところで安全性が確保されるのかということについてはむしろ、50に比べてより低い数値が必要ではないだろうかということでの検討で20が出てきた」

 「1(ミリシーベルト)というのは原発などの平時における周辺においても正に安全性を非常に強く考慮した、あるいは原発の安全確保のための非常に高いハードルを目標として1ミリシーベルトが置かれて、これまでも来ている。現実にそこで生活している皆さんの健康への影響の可能性との関係で、どれぐらいの線が安全性を確保できる線なのかということについては、国際機関の最新の知見もあるようなので、今、専門家の皆さんに最終的な詰めをしていただいている」


 --1ミリシーベルトが安全とアナウンスし、引き上げるとなると、安全性の信頼が揺らぐのではないか

 「正にこれについては、意識としては50ミリシーベルトを超える放射線量になる可能性のあるところは避難してくださいという指示を出しているわけだ。それを20ミリシーベルトに蓄積された累計の放射線量がなる可能性のあるところもどうしようかということを検討しているので、そういった意味では引き下げだ」

 「平時における原発の安全性について高いハードルをかけるという意味での1ミリシーベルトというのがある。そういった意味ではいくつもの基準がある中で、この局面においてどの基準値が一番安全性の観点から実際に当該地域の皆さんは生活の拠点であるところで生活したいという強いご希望がある。しかし、安全性が確保されなければならないという中で、どの線ならば安全性が確保されるのかということを、専門家の知見を前提に調整をしている」