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2011/03/26

EU、域内の原発について安全検査を実施で合意  仏「不合格なら閉鎖」

原発耐震EU検査、仏「不合格なら廃炉」
2011/3/26 1:28



【ブリュッセル=瀬能繁】サルコジ仏大統領は25日、欧州連合(EU)が域内の原子力発電所の耐震性能などを点検する「ストレステスト」について「不合格になった原子炉は廃炉になる」との見通しを表明した。フランスは欧州最大の原発大国だが、福島第1原子力発電所の事故を受け、稼働中の原子炉の廃炉の可能性も含めて安全対策に万全を期す立場を強調したものだ。

 欧州連合(EU)首脳会議後の記者会見での発言。大統領は日本での原発事故に関して「原子力のプロセスはよく機能していたので、チェルノブイリの事故とは違う。日本は津波が問題だった」との認識を示した。





EU、原発の安全検査実施で合意
 EU=ヨーロッパ連合の首脳会議でも原発の安全問題が中心的議題に上り、EU域内にある原発について、今年中に自主的な安全検査を実施することで合意しました。

 ベルギーのブリュッセルで2日間の日程で行われたEU首脳会議では、リビア問題やポルトガルなどの財政悪化と並んで、原子力発電の安全性が議題に上りました。

 首脳らはEU域内にある143基の原発について、今年中に安全性や耐震性などを自主的に再検査することで合意しました。

 58基の原発を抱えるフランスのサルコジ大統領は、「検査に合格しない原発は閉鎖されることになる」と述べました。

 現在、27のEU加盟国のうち13か国が原発を持っていますが、事故以降、ドイツは古い原発7基を停止、イタリアでは、全廃している原発を復活させる計画を一年間凍結するなど、 原発見直しの動きが出ています。(26日08:05)





東日本大震災:福島第1原発事故 EU、全原子炉を検査 仏「不合格なら閉鎖」
 
◇14カ国143基
 【ブリュッセル共同】欧州連合(EU)首脳会議は25日、福島第1原発の事故を受け、EU共通の原発安全基準を設定し、域内14カ国で稼働している143基すべての原子炉に対して早期に安全検査を実施することで合意した。

 日本での深刻な事故を受け、原子力を「安全でクリーンなエネルギー」と推奨していたEU内では、原発依存を見直す動きが急速に広まっている。

 安全検査では、地震や津波、洪水、テロ攻撃などへの対応や、原子炉冷却システムのバックアップ体制、原発が停止した場合の電力供給のカバー体制などを点検する。

 フランスのサルコジ大統領は25日、会議後の記者会見で、EUの安全検査で不合格となったフランスの原発は閉鎖すると発表した。フランスは電力の8割を原発に頼り、これまで安全性を強調してきたが、日本の事故を受けて閉鎖の可能性に踏み込んだ。

 深刻な欠陥が露呈した場合、EUとして「閉鎖命令」を出すかなど、検査に法的拘束力を持たせるかどうかについては加盟国の権限と絡むため議論が割れた。

 首脳会議はまた、東日本大震災で大きな被害が出た日本に対し、あらためて支援の用意を表明した。震災が世界経済・金融に及ぼす影響に対処するため、主要8カ国(G8)、主要20カ国・地域(G20)の枠組みで日本への協力の用意を示す。

毎日新聞 2011年3月26日 東京夕刊