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2011/03/26

EU、日本とのEPAの交渉入りを検討=25日のEU首脳会議

EU 日本とEPA交渉開始も
3月26日 8時30分


EU=ヨーロッパ連合は、震災からの日本の復興にも間接的につながるとして、これまで慎重な姿勢を示していた日本とのEPA=経済連携協定について、日本が非関税障壁の撤廃などに取り組む姿勢を示すことを条件に、交渉に応じることを首脳会議で初めて合意しました。

EUの加盟国は、25日、ブリュッセルで首脳会議を開き、日本側が求めるEPAの締結について、日本がことし5月にも開かれるEUとの定期首脳協議で、非関税障壁の撤廃などに取り組む姿勢を見せれば、交渉開始に応じることで初めて合意しました。

EUは、日本とのEPAの交渉開始を巡り、これまで日本側が非関税障壁の撤廃などをどこまで進めるのか見極める必要があるとして、一貫して慎重な姿勢を示していました。

今回、EUが交渉開始に向けて柔軟な姿勢に転じたことについて、イギリスのキャメロン首相は会議のあとの記者会見で、「日本の経済を復興させるためにも、日本に対しEUの自由貿易圏への参加を呼びかけることが重要だ」と述べました。

EUとしては、日本がEUとの経済関係を拡大することが震災からの復興にも間接的につながると配慮したとしており、実際に今回の合意がEPAの交渉開始をどれだけ後押しすることになるのか注目されます。






日本とのEPA、EU交渉入り検討 首脳会議で合意
2011/3/26 1:32
 【ブリュッセル=瀬能繁】欧州連合(EU)は25日の首脳会議で、日本との経済連携協定(EPA)交渉を前向きに検討する方針で合意した。EU企業の市場参入を阻む「非関税障壁(NTB)」の撤廃や、政府調達市場の開放に日本政府が積極的に取り組んでいる点を評価。貿易・投資の拡大を通じて、震災後の日本の復興を側面支援したい思惑もあるとみられる。

 首脳会議で採択した議長総括に「自由貿易協定(FTA)の交渉開始の潜在的な可能性も含めて関係を強化すべきだ」と明記した。EUが日本との交渉開始の用意があることを首脳会議で確認したのは初めて。

 日本側はEUに5月末の定期首脳協議での交渉開始合意を呼び掛けてきた。だが、対日貿易赤字を抱えるEU側はこれまで医薬品、自動車流通など27項目のNTBの改善を要求し「まず日本側が障壁撤廃の能力を示すべきだ」との立場にとどまっていた。





EUとの自由貿易協定の交渉を提案
 EUの首脳らは、東日本大震災で落ち込みが予想される日本経済を支援するため、EUと日本との間で自由貿易協定の交渉を始めることを提案しました。

 「我々の誠実さを示すひとつの方法は、日本をEUとの自由貿易地域に招き入れることだと考えます。日本の経済が立ち直る助けになるはずです」(イギリス キャメロン首相)

 EU首脳会議のあとに出された声明は日本との関係の重要性を強調、今後のG8、G20において「日本とEUとの間での自由貿易協定の締結に向けた交渉を始めることも含めて、関係強化を図るべき」としています。

 ただ、「日本が非関税障壁や公的調達制度における規制の緩和について積極的に取り組むこと」という条件もついています。

 EUとの自由貿易協定では、今年7月に協定発効を控える韓国に比べて日本は遅れをとっていて、自動車や電化製品が欧州市場での競争力を失いかねないとの懸念が出ていました。(26日07:58)




日本支援の一環、EUがEPA協定に前向き
【ブリュッセル=中沢謙介】欧州連合(EU)は25日の首脳会議で、東日本巨大地震に見舞われた日本を支援する一環として、日本との経済連携協定(EPA)締結に向けた交渉開始を前向きに検討することで一致した。

 日本の非関税障壁の改善などを条件に、「EPA交渉開始の可能性も含め、日本との協力を強化する」と明記した合意文書を採択した。

 EU首脳会議が日本とのEPA交渉入りに言及するのは異例だ。EUは乗用車などに高関税をかけている。日本との貿易関係を強化することで、日本のEU向け輸出を促進し、日本の復興を側面支援する狙いがある。

 EU市場で日本のライバルとなる韓国はEUと自由貿易協定(FTA)をすでに締結しており、7月の発効後は関税が段階的に廃止され、日本製品の価格競争力が損なわれる懸念が出ていた。

(2011年3月26日01時02分 読売新聞)