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2011/03/25

シンガポール、新たに千葉、愛媛県産の野菜と果物を輸入停止の対象に追加指定

日本野菜から放射性物質=千葉、愛媛産も輸入停止-シンガポール 
【シンガポール時事】シンガポール農業・食品・獣医庁(AVA)は24日夜、日本から輸入した野菜のうち栃木産のミツバ、茨城産の菜の花、千葉産のミズナ、愛媛産のアオジソの4種類の検体から、ヨウ素131などの放射性物質を検出したと発表した。ヨウ素の数値は日本の暫定規制値の約6分の1など、いずれも日本の基準を下回っているが、同庁はこれを受け、新たに千葉、愛媛両県産の野菜と果物を輸入停止の対象に追加指定した。

 シンガポールは福島原発事故が起きた11日以降に輸出された日本産食品を対象に放射能検査を実施しているが、放射性物質を検出したのは初めて。同庁は23日、福島、茨城、栃木、群馬の4県産の乳製品、果物、野菜、魚介類、肉類の輸入停止を決めている。(2011/03/25-12:58)
http://www.jiji.com/jc/zc?key=%a5%b7%a5%f3%a5%ac%a5%dd%a1%bc%a5%eb&k=201103/2011032500011




「県産に放射性物質」なぜ
2011年03月26日
◇シンガポール作物輸入停止
 県や農家困惑

 県産の農産物から放射性物質が検出されたとしてシンガポール政府が県産作物を輸入停止したことに、県や農家が困惑している。事故のあった福島第一原発から愛媛まで直線距離で約800キロ。このケース以外に県産作物から放射性物質は検出されておらず、県などは「県では安全を確認している。風評被害が心配だ」としている。(伊藤喜之、高木真也)


◇流通過程で付着か

 シンガポール政府のホームページなどによると、愛媛産大葉と、千葉産水菜など日本から輸入した4県産の野菜4種類から、同国の基準値を上回る放射性ヨウ素などが検出されたという。同国は24日、4県産の野菜と果物のすべての輸入を禁止すると発表した。

 だが、このケースの他に県産の作物から放射性物質が検出された例はない。国内の機関で、放射性物質が検出された作物を確認したのは、これまではすべて関東以東のもの。なぜ、愛媛なのか。

 県からシンガポールに輸出している作物は少なく、直接的な影響はほとんどない。心配なのは、風評被害だ。

 中村時広知事は「出荷先の関東の市場や空港などで、他県産の野菜などに紛れ込んだ可能性もある。県産品への風評被害が心配だが、市場では今のところ順調に競り落とされていると聞いている」 と安全性を強調。大葉を年間1トン生産している松山市の樋野正志さん(49)は「愛媛で付着することはまずあり得ない。なぜシンガポールだけで検出されるのか」 と話す。

 JAえひめ中央によると、報道を見て県産の農産物を中傷するようなメールも数件寄せられているといい、JA全農えひめの担当者も「風評被害が心配なので、消費者には冷静に対応してほしい」と訴える。

 在シンガポールの日本大使館の本川秀則2等書記官は「日本の空港などで他の野菜と一緒に積み荷される際に付着した可能性はある」 とする。21日に台湾に輸出された鹿児島県産のそら豆からセシウムとヨウ素が検出されているが、成田空港経由で運ばれており、鹿児島ではなく流通の過程で付着したとみられている。

                ◇

 これとは別に、23~24日までの間に、四国電力伊方原子力発電所(伊方町) 周辺の大気からごく微量だが、1立方メートルあたり0・21ミリベクレルの放射性ヨウ素が検出された。県は、健康には全く影響ないとしている。シンガポールで放射性物質が検出されたとされる大葉は22日以前に県を出荷したとみられている。