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2011/03/15

ドイツ、スイス、原発政策を見直し 

ドイツ、原子力発電所の使用年限延長を一時停止へーメルケル首相



 3月14日(ブルームバーグ):ドイツのメルケル首相は、同国の原子力発電所の使用年限を延長する計画について、日本の原発事故を受け、安全性に関する調査結果が出るまで一時的に停止することを明らかにした。

  メルケル首相は14日、ベルリンで記者団に対し、「これはモラトリアム(凍結)であり、このモラトリアムは3カ月有効だ」と述べた。

更新日時: 2011/03/15 00:27 JST





原発、ドイツは早期廃止へ協議 スイスは改修など一時中止 2011/3/15 0:45
【ベルリン=赤川省吾】福島第1原子力発電所の事故を受け、欧州諸国が原発政策の見直しに動き出した。ドイツ政府は14日、原発の早期廃止に向け協議。スイスも同日、既存の原発の改修と新規建設を一時中止すると発表した。欧州連合(EU)は原子力に関する緊急会合を15日に開く。

 ドイツのシュレーダー前政権は「2021年をめどにすべての原発を停止する」という脱原発政策を掲げた。しかし、09年に発足した現在のメルケル政権はこれを修正し、稼働期間を延長する考えだった。今回の事故を受けて政府は国内のすべての原発を緊急点検し、危険だと判断すれば廃炉を視野に入れる。

 スイスのロイトハルト環境・エネルギー相は同日「安全が絶対的に優先される」と指摘。国内の原発に関する安全基準を見直す可能性に言及した。スイスには北部を中心に5基の原発が稼働しており、うち4基は老朽化に伴い改修の構想が浮上していた。

 一方、EUの欧州委員会は14日、加盟27カ国のエネルギー相、原子力当局、域内の電力会社、原発メーカーを集めた緊急会合を15日に開催することを明らかにした。原発の非常時に備えた緊急計画や安全基準、原子炉冷却のための電力供給システムのあり方などをめぐって情報交換する。






ドイツではメルケル政権の「脱・脱原発」政策への反発も強く、政権の支持率低迷の一因にもなっていたところ、今回の福島第一原発の事故で新政策の凍結を余儀なくされた形だ。





ドイツの連立与党は09年の発足から一貫して原発利用延長に積極的だったが、近く行われる地方選もにらんで慎重な姿勢に転じた。