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2011/03/13

インド、トルコ、原発計画継続  ベトナムは「注意深く見守っている」

東日本大震災:インド、原発政策推進 日印協定交渉も継続




 日本との原子力協定締結に向けた交渉を進めているインドは、東日本大震災後に福島第1原発で起きた炉心溶融という事態の後も、日本との協力を推進して自国の原子力発電所建設を進める政策に変化がないことを強調した。

 インドは経済成長に伴う電力需要の急増に原発で対応する方針を打ち出している。

 インド原子力庁のS・K・マルホトラ報道官は12日、大災害時の予防措置として原発周辺の住民避難をいち早く実施した日本の安全対策の迅速性を高く評価。「一般市民への影響はないのでは」と指摘した。

 安全性に100%の保証がないことをあらためて露呈した原発だが、インドとしては原発に依存するしか選択肢がないのも事実。報道官は「自動車事故が毎日起きているからといって、自動車の生産を止めることはないだろう」と述べ、方針に変化はないと言明した。

 原発建設における先端技術を持つ日本との協定についても「今回の事態と協定はまったくの別物。もちろん日本との交渉を続ける」と強調した。(ニューデリー共同)




東日本大震災:トルコも原発計画継続 福島第1事故後も
 トルコのユルドゥズ・エネルギー天然資源相は12日、東日本大震災による福島第1原発の事故に言及、「トルコの原子力発電所建設計画は継続する」と述べ、原発導入を見直す考えはないとの意向を明らかにした。同国のアナトリア通信が伝えた。

 トルコは地震国だが、黒海や地中海の沿岸で原発建設計画を推進。黒海沿岸では、原発輸出に力を入れる日本と協力文書を締結している。

 黒海沿岸の原発建設に反対する住民団体のギュルビュズ氏は「今回の地震でも原発の危険性が明らかになっている」と指摘、トルコ政府の姿勢を批判した。(カイロ共同)

毎日新聞 2011年3月13日 10時04分






東日本大震災:ベトナム、日本に原発発注予定 関心高く
 東日本大震災で福島第1原発で建屋爆発や炉心溶融などが起きたことについて、日本への原発発注を決めているベトナムの原子力当局者は12日、状況を憂慮するとともに、注意深く見守っていると語った。共同通信の取材に答えた。

 ベトナムは原発建設計画で第2期分となる中部ニントゥアン省の2基を日本に発注する方針を決定。昨年10月の首脳会談で事実上合意しており、日本の原発に関する関心は極めて高い。

 同当局者は、報道や日本の関係者から情報を得ているとし、事故原因をきちんと解明することが重要だと強調。近く始まる原発発注に向けた日本側との交渉の中でも、今回の問題について論議する予定だと述べた。

 ベトナムのメディアも「日本の原発で爆発」などと速報、日本や欧米のメディアの報道を引用しながら現地の状況を詳しく伝えた。(ハノイ共同)

毎日新聞 2011年3月13日 10時06分