今日の国内市況:巨大地震で株暴落、債券続伸-円11月来高値から反落
3月14日(ブルームバーグ):東京株式相場は取引開始直後から売りが殺到し、TOPIXは2年4カ月ぶりの下落率を記録した。東北地方太平洋沖地震による国内景気や企業業績への悪影響が不安視され、内需中心にリスク回避の売りが膨らんだ。東証1部33業種のうち32業種が下げ、保険金支払いの増加が懸念された保険は下落率首位。
TOPIXの終値は前週末比68.55ポイント(7.5%)安の846.96、日経平均株価は633円94銭(6.2%)安の9620円49銭。TOPIXは2008年10月24日(7.5%)、日経平均は08年12月2日(6.4%)以来の下落率となった。東証1部売買高は48億8361万株と膨らみ、05年11月8日の45億5805万株を抜いて過去最高。
三陸沖を震源とする11日の地震発生の深刻な被害状況が次第に明らかになり、あらためてその影響を織り込む動きとなった。地震による内需への影響が特に懸念され、TOPIXの値下がりは拡大。TOPIX先物は午前9時4分にサーキットブレーカーが発動される場面もあった。午前の取引終了後に東京電力の福島第1原子力発電所3号機の水素爆発が伝えられると、午後には一段安となった。
野村証券では、震災中心地域の経済規模は1995年の阪神・淡路大震災とほぼ同程度としながらも、道路や電力など広範囲なインフラへの打撃を考慮すれば、短期的な経済活動への悪影響は当時を上回る公算が大きいと分析。日本経済の踊り場脱却は、ことし4-6月と従来想定していたが、それよりずれ込む可能性が高まったと結論付けた。
爆発事故が起きた東電の福島第1原発では、地域住民などが被ばくするなどの被害が発生。東電は地震による被害の復旧の見込みが立たず、突然の大規模停電を回避するために14日から計画停電を実施するほか、東北電力も計画停電の実施を検討していると発表した。
地震による直接的な被害、原発事故、計画停電と悪材料が次々に重なり、市場では株価は当面下値を模索する動きになるとの見方が多くなっている。クレディ・スイス証券では、株価は景気失速を織り込んで下振れする可能性が高まったと判断し、11年3月末の日経平均株価の予想水準を従来の1万1000円から9000円へ引き下げた。
更新日時: 2011/03/14 17:08 JST