2011年03月15日(火) 00時21分
チベット亡命政府の政治ポストから引退する意向を表明していたチベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世が14日、自らの引退を亡命政府議会に提案しました。
AP通信などによりますと、インド北部ダラムサラで14日、チベット亡命政府議会が開催され、そのなかで、ダライ・ラマ14世(76)が亡命政府に宛てた声明が読まれました。
声明でダライ・ラマ14世は、亡命政府の長としての政治的実権を今月20日に選出される新しい首相に委譲するため、憲法改正を行うよう提案しました。ダライ・ラマ14世は10日、政治ポストからの引退を議会に提案すると表明していました。
委譲される政治的実権は中国政府との交渉など、外交分野にも及ぶと見られます。
今後、議会で議論することになっていますが、ダライ・ラマ14世の慰留を求める声は亡命チベット人社会に根強く、実際に憲法改正が行われるかは不透明です。
一方、中国側は、「ここ何年も引退を表明していて国際社会をだましているだけ」として、引退表明は信用できないとの認識を示しています。(14日17:57)
ダライ・ラマ、引退を提案 2011/3/15 8:40
チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世は14日、インド北部ダラムサラで同日始まったチベット亡命議会で自らの行政権限を亡命政府に委ね、政治的指導者の地位から退くことを提案した。75歳のダライ・ラマは自らの死去で権力の空白が生じることを懸念し、亡命政府の強化と自立をこれまでも訴えてきた。ただ亡命チベット人社会にはダライ・ラマが政治的指導者であり続けるよう求める声も多く、引退が希望通りに受け入れられるかは不透明だ。(ニューデリー支局)