2011.02.05 Sat posted at: 15:34 JST
(CNN) 米国土安全保障省は5日までに、米アリゾナ州と国境を接するメキシコ内で同国の麻薬密輸組織が造った、玩具のパチンコの原理を利用した古代投石機に似た密輸用の大型の射出装置を発見、押収したと発表した。この種の手口は初めてとみられる。
地元メディアによると、重さ約1.8キロの荷物を弾き飛ばす性能があるという。国土安全保障省は、男3人がこの装置を使って品物を国境フェンス越しに飛ばす場面のビデオ撮影にも成功していた。
3人のうち2人が同装置から離れ、残りの1人がバネとなる部分を引っ張った後に放す様子がとらえられていたという。
メキシコ治安当局の要員が現場に急行したが、3人は逃走した後だった。スポーツ用多目的車(SUV)、重さ約20キロ分のマリフアナも押収した。CNN系列の地元テレビなどによると、この捜査には米税関・国境警備局、アリゾナ州州兵当局も協力した。
現場は、アリゾナ州トゥーソンから南東へ約161キロ離れた地点で、州兵当局の遠隔操作式の監視カメラが男3人による犯行をとらえていた。
米、メキシコ国境周辺では、新たな密輸の手口を次々と繰り出す麻薬密輸組織と治安当局の攻防が続いており、地下トンネル、小型潜航艇、キリスト彫像、冷凍したサメ、サンダル、子犬などを使った犯行がこれまで摘発されている。
超巨大パチンコで大麻密輸!!メキシコ→米国、2キロぶん投げ
米国とメキシコの国境付近で6日までに、大麻の密輸用とみられる「大型パチンコ」が発見され、警備当局に押収された。この機械は一度に約2キロの“ブツ”を、国境のフェンスを越えてはじき飛ばす性能を備えていた。
足で運ぶのではなく、機械で投げ込んでしまう。新たな密輸手口だ。“新兵器”は古代や中世の城攻めに使われた投石機(カタパルト)にそっくり。高さ約3メートルの金属製で、強力なゴムを使い、パチンコの原理で物を高く遠くはじき飛ばす仕組みになっている。パチンコはタイヤ付きで、自動車で引いて移動させる。
1月末、米国の警備隊がアリゾナ州側からフェンス越しに国境付近を監視していたところ、怪しい機械を操作する男3人の姿を発見。連絡を受けたメキシコ側の警備員が、現場に急行した。
3人は逃走したが現場には、けん引用自動車と大型パチンコ、さらに約20キロの大麻が残されていた。米国側の遠隔操作監視カメラには、男たちがゴムを操作し“ブツ”を飛ばそうとテストする様子がバッチリ録画されているという。現場は国境から約20メートル離れていた。
過去には、自作の潜水艦で運んだり、地下秘密トンネルに線路を敷き貨車を通したりといった手口で、国境越えの薬物密輸が行われたが、「投げ込む」という今回の手口は初とみられる。密輸組織の手口は巧妙かつ大胆になってきているようだ