(2011年2月27日午後6時05分)
高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)で昨年8月、原子炉容器内に炉内中継装置が落下したトラブルで、原因として装置をつり上げる器具の設計に問題があったと指摘されたことをめぐり、笹木竜三文部科学副大臣は27日、調査の推移を見ながら製造元に対する損害賠償請求を検討していく意向を明らかにした。文科省主催の「もんじゅフォーラム」で同市を訪れ、報道陣に話した。
同装置のつり上げには東芝製の器具が使われた。落下原因について、外部有識者による検討委員会は、グリッパー(つかみ具)の設計に問題があったとの認識で一致。日本原子力研究開発機構も「(原因として)極めて有力」と認めている。
落下した同装置を回収する器具や新たな装置の製造などには約13億8千万円の費用がかかる。昨年の回収作業では既に3億7千万円を投じている。
製造元への対応に関する文科省の意向について笹木副大臣は「17億5千万円は大きな額で、税金が使われる。スケジュールも遅れた」と指摘。「(原子力機構の)調査の区切りが付く段階で、機構の報告を受けながら責任の所在を明確化し、メーカーへの賠償請求も当然検討していく」と話した。