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2013/10/27

【朝鮮総連中央本部競売】落札したモンゴル企業の社長は朝青龍の親戚 社長が会見 【モンゴル北朝鮮コネクション】

知られざるモンゴルー北朝鮮コネクション

辺真一 | コリア・レポート 編集長
2013年10月22日 15時3分


 朝鮮総連中央本部の土地・建物の再入札で、東京地裁は本日(22日)、50億1千万円で落札したモンゴル系企業への売却許可決定を延期した。延期の理由として、このモンゴルの貿易会社、「アヴァール・リミテッド・ライアビリティー・カンパニー」が実体のないペーパーカンパニーの疑いがあることが指摘されている。

 それにしても、なぜ、朝鮮総連の物件にモンゴルの会社が登場するのだろうか。

 モンゴルと北朝鮮との間には国交があり、長年友好関係にある。両国共にレアメタルなど鉱物資源は豊富にある。それにもかかわらず貧困である。モンゴルは海がなく、内陸であるが故、北朝鮮は国連の制裁により貿易が著しく制限されていることが主たる理由だ。

 そのため両国ともに国境を接している中国に経済的に依存せざるを得ない。結果、両国とも経済は中国人や中国資本に牛耳られていると言っても過言ではない。現実に地下資源の多くを安価で中国への供給を余儀なくされている。

 中国への経済的従属、隷属を回避するには、両国共に貿易を多角化、資源供給先を多様化する必要がある。まさに「脱中国」と「貿易の多元化」という点で、両国の利害関係は一致する。

 両国の関係は、2007年に北朝鮮No.2の金永南最高人民会議常任委員長がモンゴルを訪問し、海上運輸協定を結んでから盛んになっている。前年に小泉純一郎総理がモンゴルを訪れ、貿易の拡大で合意しているが、モンゴルは北朝鮮と海上運輸協定を結んだことで日本海に出られるようになった。そして、5年後の2012年11月にはウランバートルを訪問した崔泰福政治局員兼最高人民会議議長に対してエルベグドジ大統領は日本海に面した羅津港の賃貸を要請している。

中国とロシアとの3角地帯にある羅先市を「経済開発特区」に指定している北朝鮮は両国の協力を得て国際中継貨物拠点、輸出加工、保税物流など国際交易基地とする構想を抱いている。その拠点となる羅先港の5つの埠頭のうち第一埠頭は中国、第三埠頭はロシアが独占使用権をすでに手にしている。モンゴルがこの港を使用できれば、日本、北米、韓国、中国南部に貿易ルートを拡大できる。

 モンゴルからの投資家の訪朝も目立ち始め、2008年2月にはホム有限会社のD・ミツカ取締役社長が訪朝したのを皮切り、2010年4月には外相一行に随行して経済人らが訪朝している。その中には実業家に変身した元横綱朝青龍も含まれていた。そして一行が視察した羅先市で道路、運輸、建設などで協力する文書が交わされている。

 この年の秋に平壌で開催された国際商品展覧会には中国、ロシア、スイス、シンガポールなどに交じってモンゴルも初参加している。

 両国の経済交流は特に今年は顕著で、6月にはモンゴルの製油会社「HBOil」が1千万ドルで北朝鮮の「勝利精油所」の株を20%で取得している。モンゴルの精油会社が外国の資産を購入したのはこれが初めてである。また、7月4日にはモンゴル政府、技術・郵政及び通信局代表団が、15日にはモンゴル大統領民族安全及び対外政策顧問が、そして9月23日にはモンゴル政府経済貿易代表団が相次いで訪朝している。

 今月29日から31日までウランバートルで羅先経済特区開発と密接に繋がる広域豆満江開発計画に関する国際会議も開かれる予定である。

 さらにモンゴルは北朝鮮からの出稼ぎ労働者も積極的に受け入れている。

 両国の間で2008年7月に交わされた労働者派遣協定に基づき、2011年7月からウランバートルの建設現場に北朝鮮は労働者を派遣している。2013年4月の時点で1,749人の労働者が月600~700ドルで働いている。モンゴルに在住する外国人労働者(12,064人)の15%を占めており、モンゴルは北朝鮮にとっては貴重な外貨獲得先となっている。

 朝鮮総連本部を落札したモンゴルの貿易会社の背後にこうした北朝鮮―モンゴルコネクションが存在するのか、またそれを拉致問題の解決策として日本政府が暗黙了解しているのか、あるいは、モンゴル政府も、日本政府も全く与り知らないところで、朝鮮総連に通じる地下人脈が動いているのだろうか、いずれわかるだろう。

http://bylines.news.yahoo.co.jp/pyonjiniru/20131022-00029124/



朝鮮総連中央本部を落札したモンゴル企業の“怪” 背景で絡み合う思惑とは?

2013.10.27 18:00 (1/5ページ)[疑惑の濁流]
 「北の大使館」の競売をめぐる争奪レースが、再び長期化の様相を呈してきた。宗教団体や有名企業の名前が飛び交った事前予想を覆し、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)中央本部(東京都千代田区)の土地・建物の再入札で50億円超の高値をつけて落札したのは、知名度ゼロのモンゴル企業「アヴァール・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー」。東京地裁は22日、売却許可の審査期間を延長するという異例の対応を取った。ア社の社長は「ビジネス目的」を強調するが、依然として実態は謎に包まれたままだ。複雑な思惑が絡み合う総連本部を落札した真の狙いとは…。

・周辺者には、あの元横綱も

 「謎のモンゴル企業」「ペーパーカンパニーでは」と、落札直後から話題になって1週間。24日午後(現地時間)、ア社のチュワーメト・エルデネバト社長(47)がモンゴルの首都、ウランバートルでようやく姿を見せ、一部報道陣との会見に臨んだ。

 テレビで放映された会見では、エルデネバト社長はチェック柄のシャツの上に赤いベストという姿。硬い表情のまま質問に答え、報道陣を見渡すしぐさを繰り返す姿は、やや落ち着きを欠くようにも見えた。

 共同通信によると、エルデネバト社長は「ビジネスが目的」と説明し、「モンゴルをはじめ、日本、北朝鮮、韓国いずれの政府とも関係がない」と強調した。

 会見では、かつて日本の角界を盛り上げた元横綱、朝青龍の名前も飛び出した。

 すでに一部報道では、モンゴル出身の朝青龍との関係性を取り沙汰されていた同社。報道陣からこの点を聞かれたエルデネバト社長は、親類であることを認めた。エルデネバト社長によると、朝青龍の兄の妻が自身のきょうだいという。

 モンゴルの経済や政治に詳しい大正大学の窪田新一准教授はア社の落札について、「モンゴルの企業が落札したのは予想外だったが、同時になるほど、と納得する部分もあった」と振り返る。

 窪田准教授は「旧社会主義国のモンゴルは北朝鮮とのパイプが太く、同時に日本との関係も良好なことが大きな特徴。やはり、それがモンゴル企業による落札のカギを握っている」と指摘。さらにこう分析した。

 「ア社に経営実態がないという情報は有力と見られ、本当にビジネス目的で中央本部を落札したとは考えにくい。日本と北朝鮮には互いに拉致問題と中央本部の問題がある。そこにモンゴルが間に入る形で加わり、3カ国が絡む政治的な動きが背景にあるのではないか

・主役でない?落札者

 渦中にある中央本部は北朝鮮の事実上の「大使館」とも言われ、日本との外交窓口としての役割を担う。一方で公安関係者は、拉致をはじめとした工作活動を行うための「対日工作拠点」の側面を指摘するが、いずれにしても北朝鮮にとって、失いたくない最重要拠点であることは確かだ。

 競売の発端となったのは、平成19年の東京地裁判決だ。地裁は総連に対し、経営破綻した在日朝鮮人系信用組合から不良債権を引き継いだ整理回収機構(RCC)への627億円の債務返済を命じ、この判決が確定。RCCの申し立てを受けて競売手続きに入ったことで、入居を続けられるかが一挙に先行き不透明になった。

 民事執行法の規定により、中央本部の競売は債務者である総連に入札資格はなく、総連から資金提供を受けていることが分かった場合にも売却は不許可になってしまう。このため総連は、数十億円を投じる資金力を持ち、購入後も総連に建物を賃貸してくれる密接な関係性のある買い手に落札してもらうことを狙っているとの見方が広がっていた。

 朝鮮半島情勢に詳しい『コリア・レポート』編集長の辺真一氏は「日本に支店もないモンゴル企業が突然、“ビジネス目的”で日本で行われている競売に参加し、いわくつきの物件である中央本部を落札するはずがない。ア社は主役でなく、舞台装置に過ぎない」と断言する。

 辺氏は「北朝鮮や総連は直接、中央本部の売買に関わることはできないが、何か手を打たなければならない状況にあった」とし、「総連を支援する経済界の在日朝鮮人らが資金面などで関わり、モンゴル企業による落札という“絵”が描かれた可能性もあるのでは」と推測する。

・水面下で見え隠れした動き

 総連の買い手探しは、今回が2度目となる。最初の入札で、今年3月に落札した宗教法人最福寺(鹿児島市)の池口恵観法主は、訪朝した際に最高人民会議幹部から「中央本部は私たちの大使館。なくなれば日本と敵対関係になるので、いい形で残せるように日本政府に話してほしい」と要請を受けたことを明かしている。

 ただ、最福寺は資金を調達することができず、結局、購入を断念。それ以降、総連は再び、買い手探しを進められてきたとみられる。

 公安関係者は「ホテルチェーンや宗教団体など、再入札で購入候補として何らかの噂が出たところは、2ケタにも達するほどで相当に多かった。裏を返せば、総連側が水面下でよほど必死に動き、各方面と交渉したが、なかなか話がまとまらなかったことが推測できる」と見る。

 一方で、今月の再入札直前には、ある変化もみられたという。

 公安関係者は「再入札直前に総連関係者の動きが妙に静かになり、まさか諦めたのではないかとは思っていたが…。ア社の内実は不明だが、日本と北朝鮮の両国にパイプのあるモンゴルに糸口を見出したとも考えられる」と話す。

・書類確認に苦労?

 5億円超の保証金も納め、売却許可を待つばかりのア社だったが、東京地裁は、異例の審査期間延長を決めた。売却を許可するかの決定をする期日は追って指定されるが、地裁はさらに審査に時間を要すると判断したとみられる。

 ある民事裁判官は「日本の会社であれば、商業登記簿を見れば、誰が代表者かということや、定められた形式に一致しているかなどが簡単に分かる。しかし、今回はモンゴルの企業で書類も違うので、なかなか苦労しているのではないか」と推測する。書類内容などについて、大使館などへ問い合わせている可能性もあるという。

 ア社については「営業実態がない」との可能性も指摘されているが、「裁判所はあくまで形式的な審査を行うだけで、通常は、営業形態まで立ち入って判断することはない」(民事裁判官)という。

 仮にア社への売却が許可されれば、地裁が指定する約1カ月後の納付期限までに、50億円超という資金を集められるかが焦点となる。もし、1回目の入札のように、ア社が資金を調達できなかった場合や、売却自体が不許可となった場合は、3度目となる入札が行われる見通した。

 モンゴルにまで舞台が広がった、中央本部の競売。「北の大使館」を背景に描かれた絵の全貌は、まだ見えない。


http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/131027/trl13102718000001-n1.htm