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2013/07/02

CIA元職員、ロシアへの亡命申請を取り下げ 

ロシアへの亡命申請を撤回 プーチン発言に反発か

2013.7.2 18:01 [ロシア]




 【モスクワ=佐々木正明】米国家安全保障局(NSA)による個人情報収集活動などを暴露した米中央情報局(CIA)元職員、エドワード・スノーデン容疑者(30)は2日、ロシア当局に対する亡命申請を取り下げた。

 ペスコフ露大統領報道官が明らかにした。プーチン露大統領は1日、亡命受け入れの条件として「(容疑者が)米国に損害を与えるような活動をやめなければならない」と求めていた。

 容疑者は先月30日、ロシアへの亡命を申請。内部告発サイト「ウィキリークス」の支援を得て、米国の「違憲行為」を今後も告発する計画とみられ、プーチン氏の発言に反発して申請を撤回したとみられる。

 一方、ウィキリークスは2日、容疑者がこれまでに21カ国に亡命申請を行ったと発表した。このうち、フィンランド、ポーランド、インド、ブラジルは受け入れを拒否。オーストリア、ノルウェー、スペイン、エクアドルなどは「亡命する人物が入国していない」として申請自体が無効との立場だ。

 訪露中のベネズエラのマドゥロ大統領は2日、「彼は世界的な保護を受けるに値する」として、受け入れに前向きな声明を出した。






スノーデン容疑者受け入れも=反米左派ボリビア大統領

 【モスクワ時事】ロシア訪問中の南米ボリビアのモラレス大統領は2日、元米中央情報局(CIA)職員エドワード・スノーデン容疑者の亡命受け入れの用意があると表明した。

ロシア国営テレビ英語放送RTのインタビューで「ボリビアはスパイ(米国の情報監視活動)を暴く人を受け入れる用意がある」と語った。ボリビアは内部告発サイト「ウィキリークス」が公表した同容疑者の亡命申請先の一つ。大統領は反米左派で、ガス輸出国フォーラム(GECF)首脳会議のためロシアを訪れていた。(2013/07/02-23:15)







米ロ外相元CIA職員で協議か

7月2日 19時22分

ブルネイを訪れているアメリカのケリー国務長官は、ロシアのラブロフ外相との会談で、アメリカの情報機関による個人情報の収集を告発し、モスクワの空港にとどまっているとみられるCIA=中央情報局の元職員の身柄をアメリカ側に引き渡すよう改めて求めたものとみられます。

ASEAN=東南アジア諸国連合の一連の外相会談に出席するためブルネイを訪れているアメリカのケリー国務長官は2日、ロシアのラブロフ外相と会談しました。

会談のあとケリー長官は記者団に対し、NSA=国家安全保障局が極秘に大量の個人情報を収集していた問題で、「ロシア側にアメリカの立場を説明した」と述べ、問題を告発したCIAの元職員エドワード・スノーデン容疑者の身柄の引き渡しを改めてロシア側に求めたものとみられます。

一方、ロシアのラブロフ外相は、会談ではこの問題は議題にならなかったとして、突っ込んだ話し合いにはならなかったことを明らかにしました。

スノーデン元職員は、モスクワの空港内で事実上、ロシア政府の管理の下に置かれているものとみられ、ロシア側の対応に注目が集まっています。





2013年 7月 02日 09:35 JST.

スノーデン氏、ロシアに政治亡命申請=プーチン大統領は条件設定 

By GREGORY L. WHITE AND ALEXANDER KOLYANDR 

【モスクワ】米政府の個人情報監視活動を暴露した元中央情報局(CIA)職員のエドワード・スノーデン容疑者が、ロシアに政治亡命を申請したことが1日、明らかになった。プーチン・ロシア大統領は、スノーデン氏が米国の情報機関の活動の暴露を止めた場合に限り、亡命を受け入れる可能性を示唆した。同氏が、米当局に拘束され訴追されるのを回避する余地は狭まっているものの、この条件に応じる可能性は薄い。

 モスクワ空港でロシア領事が同日語ったところによると、同氏に付き添っている内部告発サイト「ウィキリークス」の活動家サラ・ハリソン氏が30日深夜に、スノーデン氏のロシアへの政治亡命を申請した。同領事によれば、申請書は通常のプロセスでロシア外務省に送付されたという。

 ハリソン氏は、スノーデン氏が6月23日に、滞在先の香港からモスクワに移動した際に同行してきた。同氏は当初エクアドルへの亡命を希望していたが、同国のコレア大統領が週末にスノーデン氏がエクアドルの領事館を訪れて亡命を申請した場合に限って検討すると述べたことから、実現の可能性は遠のいたとみられている。米国の旅券が無効にされ、エクアドルによる難民のための旅行証明書発行も撤回されたため、同氏はモスクワ空港の乗り継ぎエリアに立ち往生の状態となっている。

 プーチン大統領は1日午後モスクワで記者会見し、米国からのスノーデン氏の引き渡し要請には「応じるつもりはない」と言明した。しかし同時に、同氏の政治亡命を受け入れるかどうかについては、「ただ一つ条件がある。それは、私が言うのは奇妙かもしれないが、米国を傷付けることを目的とした行動を止めることだ」と述べた。その上で、「スノーデン氏は自分を人権活動家とみなしており、活動を止めるつもりはなさそうだ」と語った。

 旧ソ連国家保安委員会(KGB)出身のプーチン大統領はスノーデン氏をスパイとみなしているが、「ロシアのスパイではない」と強調し、その上で、「我々はこれまで、外国で拘束されているロシアのスパイと、ロシアの裁判所で有罪となった外国のスパイの交換を行ってきた」ことを指摘した。オバマ米大統領は、スノーデン氏のケースでスパイの交換を行う可能性を否定している。 

 ロシアの著名な外交アナリストであるフョードル・ルキヤノフ氏は、「プーチン氏の発言を聞く限り、スノーデン氏には何の共感も抱いていないようだ」とし、「プーチン氏は旧ソ連の情報機関であるKGBの出身者であり、情報機関の世界ではスノーデン氏のような人物は裏切り者である」と語る。

 一方、先週スノーデン氏が亡命を申請した場合には検討すると表明したベネズエラのマドゥロ大統領が1日、天然ガス輸出国フォーラム(GECF)首脳会議出席のためモスクワ入りした。米政府当局者は、同大統領がスノーデン氏に対し亡命を持ちかけ大統領機に同乗するよう打診するのではないかとみて、マドゥロ大統領のモスクワでの動静を注視している。同大統領は2日帰国の途に就く。数カ月前に就任したばかりのマドゥロ大統領は、米国との関係再構築を図っているが、チェベス前大統領のように強い反米姿勢を示すべきだとの国内からの圧力にさらされるのではないかと、米政府当局者は懸念している。

http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887323751804578580301518265678.html







ロシア亡命に切り替えた裏にエクアドルの変心

2013.7.2 10:12 [ロシア]
 米中央情報局(CIA)元職員のエドワード・スノーデン容疑者がロシアに亡命申請した背景には、希望していた南米エクアドルが受け入れを明言せず、むしろ対米配慮の姿勢を見せ始めたことへの懸念があるとみられる。

 対米強硬路線で知られるコレア大統領は6月29日のテレビ演説で、元職員の同国への亡命手続きが始まった場合「最初にすることは米国の意見を聞くことだ」と米側の意向を尊重すると表明。バイデン米副大統領との電話会談が前日に「友好的」に行われたとも話した。30日のAP通信との会見では、駐ロンドンのエクアドル領事が元職員のための渡航証を発行したことを「重大な誤り」として職員は処罰されると述べた。

 外交筋は、姿勢の後退について「大統領は(亡命受け入れを)指導者としての存在感アピールに使えると考えたが、米側の圧力で被る経済的損失の大きさを当局者が懸念したのではないか」とみている。(共同)